FIAは29日に行った世界モータースポーツ評議会(WMSC)で、2017年の世界ラリー選手権(WRC)の序盤7戦のカレンダーを承認した。全戦のカレンダーが承認されなかった理由として、今年キャンセルされたラリー・チャイナの存在があるようだ。
今季、ラリー・チャイナは第10戦としてカレンダーに組み込まれていたが、開催直前に起こった暴風雨の影響で道路が崩壊。ラリー前に修復工事を完了するのは不可能だとして、開催が中止された。
先日、FIAラリーディレクターのヤルモ・マホネンもラリー・チャイナ開催中止が、17年の開催スケジュール策定に影響を及ぼしていると語っている。
そのため、開催日程が承認されたのは1月20~22日開催の第1戦モンテカルロから6月9~11日開催の第7戦イタリアまでの7大会のみ。また、日程は未定となっているものの、フィンランドとドイツ、スペイン、イギリス、オーストラリアでのWRC開催も承認された。
そのほかカレンダー入りする可能性がある国としてポーランドと中国、そして復帰すれば2010年以来のWRC開催となるトルコの名前が上げられている。FIAはこの3カ国のうち2カ国がカレンダー入りする可能性があるとしている。
日程が確定した7戦のうちでは、フランスでの1戦、ツール・ド・コルスの開催時期が変更された。今季ツール・ド・コルスは9月の第11戦(ラリー・チャイナのキャンセルで第10戦に変更)に組み込まれているが、第4戦として4月に行われることとなった。
これは、昨今批判を浴びているシリーズ序盤のグラベルイベント集中を緩和させる処置のようだ。
今回のWMSCでは、新たなポイントシステムについても正式に承認された。これまではマニュファクチャラーが指定した2台のポイントがチームに与えられる方式を採用。
そのため、フォルクスワーゲンやヒュンダイはサテライトチームという立ち位置で3台目を投入する“苦肉の策”を取っていた。
来季からは、各メーカーが最大3台までエントリーさせることが可能となり、このうち、より上位につけた2台のポイントが各チームに与えられることとなる。
そのほか、来季の車両規則改定で17年仕様WRカーのアベレージスピードが大幅に向上することを受け、プライベートチーム/ドライバー向けに『プライベーターカップ』が設けられることも明らかとなった。マシンは現行のWRカーが使われる予定。
なお、以前から議論が続いている出走順に関する発表はなく、2017年に向けて、さらなる議論とファックス投票が行われることのみ明らかとされている。
■2017年WRC開催スケジュール(9月29日時点)
Rd.CountryDate1モンテカルロ1月20~22日2スウェーデン2月10~12日3メキシコ3月10~12日4コルシカ島(フランス)4月7~9日5アルゼンチン4月28~30日6ポルトガル5月19~21日7イタリア6月9~11日TBAフィンランドTBATBAドイツTBATBAスペインTBATBAイギリスTBATBAオーストラリアTBA
※TBA:後日案内
※ポーランド、中国、トルコのうち2カ国が追加でカレンダー入りする可能性がある。