アウディは9月29日、パリモーターショーの会場で、RSモデルの最新バージョンとなるアウディRS3セダンを公開した。また、同時に2015年からスタートしたツーリングカーシリーズ『TCRシリーズ』向けのレーシングバージョン『RS3 LMS』も公開した。
アウディRS3は、コンパクトセダンであるA3シリーズの最強モデルとして誕生したもので、400馬力の最高出力を誇る5気筒2.5リッターTFSIエンジンを搭載。0-100km/h加速はわずか4.1秒で、最高速度は電子リミッターによって250km/hに制限されているが、カスタマーが希望すれば280km/hに引き上げることも可能だという。
さらに、その強大なパワーを受け止めるためにSトロニック7速デュアルクラッチミッションとクワトロフルタイム四駆システムが組み合わされ、アウディ・ドライブセレクト・ダイナミックハンドリング・システムやエレクトロニック・スタビライゼーション・コントロール(ESC)などの多くの制御によって、敏捷なハンドリング特性を実現している。
また、エクステリアもRSモデルの専用のものが驕られ、ノーマルのA3と比較するとRS3のフロントトレッドは20mm、リヤトレッドも14mm広げられている。通常のA3セダンから大幅にパフォーマンスが向上した、まさに“コンパクトセグメント最速”と言えるセダンとなった。
そんな最速モデルのパフォーマンスを活かすべく、2015年から世界各国で開催されている新たなツーリングカーレース『TCRシリーズ』のカスタマー向けに、『RS3 LMS』と呼ばれるモデルが同時に公開された。
「TCRのマーケットは、GT3カーのマーケットと比較しても巨大なポテンシャルを秘めている。2016年は10のシリーズと、18カ国での開催があった」と語るのは、アウディスポーツのカスタマー・レーシングを率いるクリス・ラインケ。
「RS3 LMSは、GT3と同様に各国のカスタマーにリーチするものだ。TCRは非常にコストが安く、新たなカスタマーを得ることができる。そこに、我々が2009年からR8 LMSで培ってきたサポートやパーツのサプライといったノウハウを注ぎ込んでいく」
TCRはホンダ・シビックをはじめセアト・レオン、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI、スバルWRX STI、アルファロメオ・ジュリエッタ、フォード・フォーカスといった車種が登場しているが、アウディRS3 LMSは最も新たなモデルとして今後登場することになりそうだ。