トヨタは9月29日、パリモーターショーの会場で、2017年から復帰するWRC世界ラリー選手権の活動に向け、マイクロソフトがTOYOTA GAZOO Racingの『テクノロジー・パートナー』として参画することで基本的合意に達したと発表した。
2017年からヤリスWRCでラリー界の最高峰に復帰するトヨタに、トヨタと同様の世界的大企業がパートナーとして参画することになった。ソフトウェアでおなじみのマイクロソフトだ。すでに1月にマイクロソフトとトヨタは、ビッグデータの収集、分析、利活用を目的とする『トヨタ・コネクテッド社』を設立。このWRCにおける“テクノロジー・パートナーシップ”は、従来からのマイクロソフトとの協力関係の上に成り立っているという。
トヨタは今後、マイクロソフトの技術を活用してレース活動やチームデータ共有のための情報プラットフォームを開発し、レース活動を強化する。また、極限走行の車両から得られる情報を集約し、最先端のデータ解析を行うことで、データの研究、活用を行っていく。
マイクロソフトとトヨタの協力関係は、具体的には下記の領域で行われる。
1.走行中のデータ分析プラットフォームの開発
走行に関わる各種情報を集約・可視化し、分析することで、レース活動にデータを活用する。
2.チーム活動の情報共有システムの活用
クラウドを利用して、画像や動画などの各種素材をより円滑に共有できるようにすることで、効率的・効果的な情報発信活動を支援する。
3.ファンとのコミュニケーション強化
クラウドを活用したファン向けサービスの提供や、イベントにおけるマイクロソフトの展示デバイス使用などを通じ、レース活動を魅力的かつ、スピーディーにファン届ける。
「マイクロソフトが目指すより豊かな社会の実現に向かう志は、私たちと同じだと確信しています。今までの協力関係をベースに、モータースポーツにITを活用していくことで人とクルマをさらに鍛え、今後も『もっといいクルマづくり』を推し進めていきます」と語るのは、トヨタ自動車豊田章男社長。
なお、トヨタのWRC活動に向けては、ポルシェLMP1チームのサポートも行っているDMG森精機、かつてF1活動のメインスポンサーだったパナソニックもパートナーとして基本的合意に達しているという。今回のパリショーで発表したヤリスWRCテストカーは、マイクロソフト、DMG森精機、パナソニックという3社とチームへのタイヤの供給メーカーであるミシュランのロゴを掲出したデザインとなっている。
また、注目すべきは今回公開されたヤリスWRCの画像だ。これまでカラーリング済みだったものからは前後フェンダーの処理やリヤウイング、ボンネットのエアアウトレット等、外観が大幅に変更されている。