ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)を戦うメルセデスのロバート・ウィケンスは、ハンガリーでの愚かなミスで王者獲得のチャンスを失ったと後悔している。
残すはホッケンハイムでの最終ラウンドを残すのみとなった今シーズンのDTM。チャンピオンの行方は、BMWのマルコ・ウィットマン(176ポイント)、アウディのエドアルド・モルタラ(162ポイント)とジェイミー・グリーン(137ポイント)の3人に絞られた。
第9戦ザントフールトで今季初勝利を挙げたウィケンス。モスクワでの第11戦でも勝利を挙げ、一時はウィットマンを交わしランキングトップにも立った。しかしニュルブルクリンク、ハンガロリンクに2ラウンドで2点ずつしか加算できず、最終ラウンドでのチャンピオン争いから脱落してしまった。
メルセデス勢ではトップのウィケンスが悔やんでいるのは、第16戦のスタートでのミスだ。予選8番手に付けたウィケンスだったが、フォーメーションラップを終えグリッドに向かう時に、誤って自分のグリッドを通り過ぎてしまう。
このミスにより最後尾スタートとなり、レースでは追い上げをみせるも12位でフィニッシュ。ウィットマンとダニエル・ジュンカデラ(メルセデスAMG C63DTM)が失格処分となり10位で1ポイントを加算するも、ランキングトップのウィットマンとは54ポイント差となり逆転は不可能となった。
「100万年に一回やるようなことを今日やるとは思いもしなかった。自分の場所を気が付かないなんて愚かなミスだったよ。12位までアップすることができた。しかし、一度の愚かなミスによって、タイトルを獲得するチャンスを手放すことになった」とウィケンス。
メルセデスのDTMを統括するウルリッヒ・フリッツは、「あのスタートの状況について多くを語ることはできない。明らかに起こるべきことではなかった。我々は、ドライバーズ選手権を自分たちから外れたことを意味している。本当に恥ずべきことだ」とコメント。
昨年はパスカル・ウェーレインがチャンピオンを獲得したメルセデス。ドライバーズチャンピオンの連覇はなくなり、ハンガリーラウンドでの苦戦も響いてコンストラクターズ選手権でもアウディとBMWに大きく差を付けられる厳しいシーズンとなった。