ウイリアムズのパフォーマンスチーフ、ロブ・スメドレーによれば、元フェラーリのタイヤスペシャリストを雇い入れたことは、チームが「次のレベル」へ進むのに役立つに違いないという。
今月初めにウイリアムズは、ライバルチームの分析およびパフォーマンスコンセプトのチームリーダーとして、アントニオ・スパニョーロを迎えたことを発表した。スパニューロは11年間にわたってフェラーリに在籍し、キミ・ライコネンやフェルナンド・アロンソのレースエンジニアとパフォーマンスエンジニアを務めた後、タイヤパフォーマンスグループのリーダーを任されていた人物だ。
ウイリアムズにとって、タイヤはしばしば課題になってきた領域でもある。スメドレーは、スパニョーロの加入によって、ようやくその問題の解決に本格的に取り組めるようになると感じているようだ。
「私たちはその領域(タイヤの理解)で、多少遅れを取っているところがあった。すでにアントニオの加入を前提としてグループを編成してあったので、彼は着任と同時に、独自のアイデアを提供している。とても頭のいい人物だよ」
「レースの週末の金曜から土曜にかけてできること、つまり私たちが本来の力を発揮し、今年のウイリアムズに相応しいと思うポジションまで浮上することに関して、彼が大きな戦力になるのは間違いない。彼はタイヤの理解という面だけでも、このチームに不可欠な役割を受け持つことになる」
スパニョーロの招聘は、ウイリアムズにとって大局的な戦略の一部だ。チームが彼に期待する役割は、タイヤの理解だけではなく、「ライバルの長所を理解すること、およびリソースを優先的に割り当てるべきパフォーマンス領域を特定すること」にあるという。
さらにスメドレーは、次のように語った。
「私たちには、(タイヤ以外にも)やるべきことがたくさんある。舞台裏での研究開発についても同様だ。週末のサーキットでの仕事や、日々の生き残りのための戦いばかりではなく、将来的に成果が得られるような、中長期的な研究開発も考える必要がある」
「現在このチームがいるパフォーマンスフィールドから、次のレベルへと進むには、そうした部分が重要だ。いま手元にあるものを最大限に生かそうと試みるだけではダメで、今後パフォーマンスを向上させられる領域はどこなのかを探していかなければならない」
「その点において、彼と彼のグループはチームの力になってくれるはずだ。他にも何人か若くて優秀なスタッフがいるし、チームの内外を問わず、優れた才能を探し続けてきたからね。私たちは、いまも積極的に求人活動を続け、組織を拡大しつつある」
「また、タイヤの理解に関しては、人材とインフラの両面で、本物の長期的な体制が構築されている。チームとして前進したければ、そういう考え方を持つ必要があるんだ」