イタリアン・グランツーリスモ・チャンピオンシップのスーパーGTカップに参戦するビンチェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)の根本悠生(106号車ランボルギーニ・ウラカン)が、イモラで行われた第6大会で2連勝。チームメイトをランキング首位へ押し上げた。
バレルンガで行われた第9戦/10戦の第5大会にスポット参戦し、GTカーレース初戦で勝利する活躍をみせた根本。この活躍を受けて急きょ参戦した第6大会でも好走をみせた。
イモラでの走行は初めてにもかかわらず、根本はフリー走行から好調ぶりを発揮。チームメイトのニコラス・コスタだけでなく、ランボルギーニのワークスドライバーたちさえも上回るラップタイムを記録する。
根本は第11戦のグリッドを決める予選1回目でも堂々のトップタイム。チームにポールポジションをもたらすと、第12戦のグリッドを決める予選2回目ではコスタが奮起して、2戦ともポールポジションを獲得した。
迎えた第11戦、チームは前戦での勝利により20秒のピットストップハンデを書かての戦いとなる。スタートドライバーの根本はオープニングから後続を引き離すとトップを維持したままピットイン。コスタへハンドルを引き継ぐ。
そのコスタは3番手でコースへ復帰するとそこから激しい追い上げをみせて、前を行く2台をパス。自力でトップに返り咲き、そのままトップチェッカーを受けて2連勝を飾った。
続く第12戦では、シーズン最多の30秒のピットストップハンデを与えられた106号車。スタートを担当するコスタは充分なマージンを築くべくアタックするが、13周消化後にピットインした時点で、2番手との差は6秒。ドライバー交代し、根本がコースへ復帰した際は5番手までポジションが落ちていた。
しかし、根本はここからオーバーテイク劇を繰り広げる。根本はコース上で最速のラップタイムを刻んで、1周につき1台ずつオーバーテイク。交代からわずか3周後には2番手までポジションを戻してみせる。
17周終了時点でトップの108号車ランボルギーニ・ウラカンとは約10秒のタイム差があったものの、根本は1周あたり1秒から1.5秒ずつギャップを短縮。21周目には2.173秒後方まで迫った。
勢いそのままに、根本は21周目の最終コーナーで108号車の背後につけ、スリップを使いながらホームストレートでアウト側から並びかけると、1コーナーでオーバーテイク。首位の座を奪い返してみせた。
その後も、根本は手を緩めることなくペースを上げ、最終的に2番手以下に14秒もの大差をつけて優勝。参戦した4戦中3戦でトップチェッカーを受けた。
根本は「ここイモラで君が代を流せたことを誇りに思います。ありがとうございました!」と勝利の喜びを語る。
「2日間を通じてミスもなく、最高のレースができました」
「伝統あるイモラを自分が走れたこと、そしてこのイモラで2レースとも完全優勝ができたことは、レーシングドライバーとしての自信につながりました」
また、チームメイトのコスタも「ユウキの速さが、今回の3連勝に大きく貢献してくれました。チームメイトとして最高のドライバーです」と根本を絶賛。
VSR代表のヴィンチェンツォ・ソスピリも「彼のパフォーマンスは、走れば走るほど磨かれており、まさに成長期のレーサーです」と評価した。
この3連勝により、コスタはドライバーズランキング首位に浮上。根本はチームメイトの王座獲得をサポートするべく、10月16日決勝のシリーズ最終戦、ムジェロ大会へ挑む。