マクラーレンのF1パワーユニットパートナーであるホンダが、マレーシアGPで開発トークンを使ったアップグレードを投入することを決めた。搭載するのはフェルナンド・アロンソのマシンのみで、彼はそのためにグリッドペナルティを受けることになる。
3トークンを残していたホンダは、それを内燃エンジン(ICE)の向上に使うために取り組んできたが、エレメントを交換する場合、アロンソにしてもジェンソン・バトンにしてもグリッド降格ペナルティを受けるため、タイミングに悩んでいた。
以前からホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏は、日本GPでのペナルティは避けたいこともあり、マレーシアはいいタイミングであるとの考えを示していたが、最終的な判断はマレーシアの週末を迎えてから行うと述べていた。
英AUTOSPORTの情報によると、ホンダはマレーシアで2トークンを使用して改良したICEをアロンソのマシンに搭載するという。他のエレメントも交換するという説もあり、いずれにしてもアロンソは大幅な降格ペナルティを科される。
1トークンは、エンジンブロックのアップデートに使われ、信頼性と耐久性の改善、軽量によるパフォーマンス向上を狙ったものだという。あと1トークンは、エキゾーストのアップグレードに使用されたようだ。
しかしアロンソはアップグレード版パワーユニットを週末を通して使用する可能性は低いと考えられている。
エレメント交換を木曜朝に決めたホンダは、金曜プラクティスFP1に向けてアロンソのパワーユニットをアップデートし、その後、FP2でも引き続きそれを使用し続けるかどうかを検討するということだ。
今回使用する主な目的はアップデートの有効性のチェックであり、いずれにしても新ユニットは金曜しか使用せずに土曜にはこれまでのスペックに戻す予定であると考えられている。
アロンソが新しいパワーユニットを週末を通して使用し続ける可能性はゼロではないが、現時点ではその計画はないようだ。
バトンに関しては、マレーシアではアップデート版エレメントを使用しないが、次の日本で投入するかどうかホンダはまだ決めかねているという。
F1iは、チームとしてはふたりが同じグランプリでグリッドを降格されるのは避けたい考えであり、バトンのパワーユニットのアップデートは日本の次のアメリカGPになる可能性が高いと報じている。
ホンダはシーズンが終わるまでにすべての開発トークンを使い切りたいと考えてきたが、最後の1トークンは使用することのないまま終わる可能性が高そうだ。