FIAが2017年F1レギュレーションにおける変更を承認、パワーユニットのエレメントを一度に大量に導入してペナルティを最小限に抑えるという、現在は合法的に行われている行動がとれなくなる。
世界モータースポーツ評議会会合が28日に開催され、2017年F1レギュレーションにいくつか変更がなされることが承認された。
その変更のひとつが、パワーユニットのエレメント交換に関するものだ。合計21戦の今年はドライバーひとりあたりパワーユニットを5基使用でき、パワーユニットを構成する6つのコンポーネントのいずれかが6基目以降に入った場合はグリッドペナルティが科される。
以前は降格分を消化しきれない場合にはタイムペナルティが科されたが、現在は、ペナルティは最大でも最後尾までの降格にとどめられている。そのため、一度にたくさんのエレメントを導入し、その後のペナルティを避けるという戦略が取られている。
ベルギーではメルセデスがルイス・ハミルトンのエレメントを大量に交換、シーズン末まで走り切れると思われる量をストックした。こういった行動には批判が集まっており、2017年にはこれが違法となるような規則変更がなされることになった。
FIAの声明には次のように記されている。
「ひとつのグランプリ中にパワーユニットのエレメントのうち、ペナルティに値するものを2つ以上導入した場合、最後のエレメントのみが、さらなるペナルティなしにその後のイベントで使用することができる。これはパワーユニットのエレメントのスペアをストックすることを防ぐ措置である」
つまり、来年は一度に同じエレメントを複数入れた場合でも、その後のレースでペナルティを受けずに使用できるのは1基のみということになる。