9月28日、ザ・リッツ・カールトン東京にて東宝株式会社とワーナー ブラザース ジャパン合同会社が提携して進行中だという超大型邦画の企画発表会が開かれた。
発表会の開幕とともに、市川南(東宝株式会社 取締役)、高橋雅美(ワーナー ブラザース ジャパン合同会社 社長兼日本代表)、平野隆(本作プロデューサー)が登壇。本企画が『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の実写映画化であること、さらにその上映を2017年夏に予定していることを明かした。
本企画について平野は「本作のテーマは人間讃歌。人間の素晴らしさや、『ジャンプ』の精神を受け継いでいく」とコメント。この企画において東宝は配給を、ワーナーは宣伝をそれぞれ担当するとのこと。市川は「映画のプロデューサーならば、誰もが1度は実写化を考える原作。その壮大すぎるスケールに、これまで実写化することができなかった最後の作品と言ってもいい。来年の夏公開に向け、年間通してのナンバーワンとなれる作品を目指す」と意気込みを語った。一方の高橋は「世界に打って出られる作品。東宝とワーナー、両社の良いところを出し合って新しい扉を開きたい」と、洋画の宣伝も大体的に手がける自社の強みをアピールした。
続いて、本作の監督が『藁の楯 わらのたて』や『悪の教典』を手がけた三池崇史であることも発表に。三池は「『これを実写化した後は、我々は何を作ればいいんだ?』ということを考えなくてはいけない。そういう意味で日本映画がリセットされるくらいのビッグタイトル。オファーを受けた時は眠れなかったが、逃げる訳にはいかないので受けた」と冗談交じりに心境を語った。
ここからは、気になるキャスト情報が公開となった。主人公の東方仗助役を山崎賢人、広瀬康一役を神木隆之介、山岸由花子役を小松菜奈、虹村形兆役を岡田将生、虹村億泰役を真剣佑、片桐安十郎役を山田孝之、そして空条承太郎役を伊勢谷友介が担当すると発表。なお、発表会に登壇はしなかったものの東方朋子役を観月ありさ、東方良平役を國村隼が演じることも明かされた。
実写化について原作者の荒木飛呂彦は、「満を持しての実写映画化。豪華なキャスト陣と十分すぎる製作体勢が取られている。これまでは不可能だった映像技術を用いて、どのような作品になるのか楽しみ」とメッセージを寄せた。
キャスト陣がそれぞれに意気込みや役作りについて語る中、山崎は「このお話を頂いてから『ジョジョ』の原作を1部から8部まで買いまして、今は7部を読んでいるところです」とその世界観にどっぷりとハマっている様子。自身が演じる仗助については「正義感があり、優しくて強くて、人間としてカッコ良い。誇りを持って演じたい」と決意を新たにした。
トーク中には、撮影をスペインのシッチェスという都市で行うことも話題となった。三池監督はシッチェスについて「原作の舞台は仙台市をモデルにした杜王町という町だが、撮影にあたってロケ地を日本に限らず、世界中から探そうという話になった。シッチェスは建物の雰囲気が良く、近くにビーチもあり、映画文化にも慣れ親しんだ都市。現地に立った時、『ここに住みたい』と思えたのが決め手だった」と満足げな表情。“町を守る”ことが大きな柱となる本作だけに、その景観選びにもこだわったようだ。
また本作のタイトルが『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』となっている点について、平野は「原作は非常に長いシリーズだが、日本が舞台であり、日本人が主人公の第4部を実写化に選んだ。1本だけでは第4部の物語全てを描くことはできないので、まずは何本かに分けて第4部を完結させたい」とコメント。反響次第では、第4部以降のエピソードをワールドワイドに展開していく可能性も十分にあり得るとのことだ。
最後に三池監督は「ビビることなく直球で、この最高のメンバーと取り組みます。完成を楽しみにしてください」とメッセージを送り、発表会の幕を引いた。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
2017年夏公開