2017年に全国公開される映画『あゝ、荒野』の追加キャストが発表された。
寺山修司の同名小説をもとにした『あゝ、荒野』は、現代の新宿を舞台に、ボクシングジムで出会った少年院あがりの新次と、吃音と赤面対人恐怖症に悩む「バリカン」の奇妙な友情を描く作品。これまでに新次役を菅田将暉、バリカン役をヤン・イクチュンが演じることが明らかになっていた。監督は『二重生活』などの岸善幸。
今回出演が明らかになったのは、オーディションで選出されたヒロイン役の木下あかり、新次のライバルとなるボクサー役の山田裕貴、新次の母親・京子役の木村多江、「闇の研究会」のメンバー・恵子役の今野杏南、新次とバリカンに大きな影響を与えるボクシングジムのトレーナー「片目」こと堀口役のユースケ・サンタマリア。さらにでんでん、モロ師岡、高橋和也もキャストに名を連ねる。
同作は現在撮影中。年内のクランクアップを予定している。
■木下あかりのコメント
岸監督にはじめてお会いした日、いつか必ずご一緒すると直感で思いました。いま、それが現実になり、岸組の一員になれることへの喜びと恐怖の入り混じった日々を過ごしています。監督の1シーン1カットへの愛情を感じながら、カメラマンの夏海さんのカメラワークの中にいられることがとても幸せです。
プロフェッショナルな皆さんと時間を共にできることに感謝しながら、最後まで駆け抜けたいと思います。
■山田裕貴のコメント
本当にいつかボクサーの役をやってみたいと思っていて、ようやくオーディションのチャンスを頂き、裕二役を生きれることになり、死ぬ気でトレーニングをして気合を入れています。菅田くんとは初共演なんですが、いつかご一緒したいと思っていたので撮影はすごく楽しいです。菅田くん演じる新次はハートのボクシングで、僕は(裕二)は冷静に闘うボクシング。アクションをアクションとしてやってしまうと型に見えてしまうので、時にはハートでぶつかり合ってリアルに演じていけたらと思っています。生きざま、言葉はなくとも、拳で...心で語り合う。ボクシングシーンではそんなシーンを作りたいです。
■木村多江のコメント
現場では、監督との話し合いで、演じる道すじが決められ、ドキュメンタリーの様に、感情が映し出されていく。でも、いつも行き先は決まっていない。私の演じる京子は、深い闇を抱えていて、自分の中の母と女に激しく揺さぶられている。でも演じながらも答えがなく自分の感情がどこに行くのか、私自身にもわからない。それでも愛おしい、京子という女に食らいつき生き抜こうと思います。
■ユースケ・サンタマリアのコメント
岸組は、近年稀にみる心地良い現場です。今回はトレーナーの役なので、一生懸命練習はしてなかったんだけど、ボディを打たせるっていうことが発覚して、慌てて鍛え始めました。腹筋は割れかけてきてる。共演するふたりは、すごい芝居をする奴らだってっていうのは知ってるんだけど、最初から堀口(片目)という役どころでふたりを見ているので何だかとても可愛く見えて、可愛くてしょうがないという感じです。(笑)濃密な三人芝居が多いということですごく楽しみです。リアリティをしっかり出して行きたいと思います。