ブタペスト・ハンガロリンクで開催されたドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)。25日に行われた第16戦は、マティアス・エクストローム(アウディRS5 DTM)が今季初勝利を挙げた。
残り3戦となった今シーズンのDTM。前日行われた第15戦は、アウディ勢が強さを見せエドアルド・モルタラ(アウディRS5 DTM)がポール・トゥ・ウインで2連勝を飾った。
日曜日の予選でも、モルタラの勢いは止まらずポールポジションを獲得する。2番手にエクストロームが続き、3番手にはランキングトップのマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)が入る。
タイヤ交換義務ありの60分+1周で争われる日曜日のレース。8番手のロバート・ウィケンス(メルセデスAMG C 63 DTM)がグリッドを間違えたため、フォーメーションラップはやり直しとなり、ウィケンスは最後尾スタートに。
ポールポジションのモルタラはスタートでスピードが乗らず、エクストロームがホールショットを決める。モルタラはウィットマンに並ばれ接触。バランスを崩したウィットマンは4番手スタートのジェイミー・グリーンを押し出すも2台はなんとかコースにとどまり1コーナーへと進入する。
モルタラは右フロントタイヤをパンクさせ失速。グリーンもマシンにダメージを負い1周目終わりでピットインしリタイアに。前日の1、2位が早くも優勝争いから脱落する波乱の幕開けとなった。
トップはエクストローム。10番手スタートにエイドリアン・タンベイ(アウディRS5 DTM)が2番手に浮上し、ダニエル・ジェンカデラ(メルセデスAMG C63 DTM)が3番手。ウィットマン、マキシマム・マルティン(BMW M4 DTM)、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(アウディRS5 DTM)の順で2周目へ。
12周目終わりでダ・コスタを先頭に複数のドライバーがタイヤ交換へ向かう。上位争いでまず動いたのはウィットマン。18周目にピットインへ向かうも、ダ・コスタに先行されてしまう。
20周目終わりでジュンカデラが、21周目にタンベイがタイヤ交換へ。クルーたちは2.5秒の作業でタンベイを送り出し、タイヤ交換したドライバーでは先頭となる3番手でコースへと復帰させる。
トップのエクストロームは23周目終わりでピットイン。エクストロームは2.4秒で作業を終え、タンベイを抑え込むことに成功する。
全車がタイヤ交換を終えると、エクストロームがトップ。2番手にタンベイ、3番手にジュンカデラ、ダ・コスタを交わしたウィットマンが4番手で続く。
レース後半、エクストロームはタンベイとの差を徐々に引き離し、4.3秒差で今季初優勝を果たした。
エクストロームは、チャンピオン争いを行っている世界ラリークロス選手権に集中するために最終ラウンドの欠場をすでに発表しており、最高の結果で自身のDTM最終戦を飾ることとなった。
「今日は素晴らしいクルマを手に入れることができた。勝利のためにハードにプッシュする必要はなかったよ。今年は本当にハードに戦わなければならなかったし、いい結果がでなかった。でも今日は違ったね」とエクストローム。
2位にタンベイ、3位にジュンカデラが入り、ウィットマンは4位に。チャンピオンを争うライバルのモルタラがリタイアに終わったため、12ポイントを加えたウィットマンは26ポイントのリードを持って最終ラウンドのホッケンハイムに挑むこととなった。