驚異的な走りで1度もトップを譲ることなく2勝目を挙げた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と星野一義監督 全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦SUGOは、ポールシッターの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がセーフティカー終了後に、異次元の速さを披露。1度もトップを譲ることなく完全勝利を挙げた。
夏のような強い日差しが降り注いだSUGO。気温も昨日に比べると上がり27度、路面温度は34度というコンディションで決勝レースがスタートした。
ポールシッターの関口は抜群のスタートを決めて首位をキープ。2番手にはこちらも好スタートでペナルティによる1グリッド降格を跳ね返した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が続き、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は3番手に後退した。
以下、中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)というトップ6でオープニングラップを終えている。
しかし一貴は5周目にトラブルか、1分12秒台までタイムが落ち6番手まで後退。代わって再び野尻が2番手で関口を追いかけることになった。なお、一貴はその後ペースを戻している。
この時点で関口と野尻との差は7秒に開いていたが、関口はさらにペースアップし、ひとり1分8秒台のタイムを連発して一気に後続を突き離していった。
7周目、誰よりも先にピット作業に向かったのは、7番手を走るアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。8.4秒の作業時間で給油のみを行いレースに復帰すると、10周目には4番手を走るオリベイラがピットイン。ロッテラーの前でコースに復帰し、好ペースで周回を重ねてアンダーカットを狙う作戦に出る。
14周目には大祐がピットに入り、ここでオリベイラが逆転なるかと思われたが、チームは6.7秒というタイムで作業を済ませピットアウト。大祐はオリベイラのすぐ前でコース復帰を果たし、そのままオリベイラを抑え込むことに成功した。
16周目にバンドーンがピット作業を済ませた直後、17周目にオリベイラがバランスを崩しSPコーナーでスピン。縁石に近いランオフエリアでマシンがストップしてしまい、ここでセーフティカーが導入された。
この時点でトップを走る関口と2番手の野尻とは13.8秒の差がついており、関口がセーフティカーにキャッチされた瞬間、2番手以降の野尻、一貴、可夢偉、石浦、ブラー、山本、国本ら、ピットを済ませていなかった面々が続々とピットイン。これで、すでに作業を済ませていた大祐、野尻、ロッテラーらが関口のすぐ後ろまで迫ることとなった。
23周目にレースは再開。唯一ピット作業を行っておらず、ピットでのロスタイム分のギャップをコース上で作らなければならない関口は、1分8秒台を連発して後続を引き離しにかかる。追いかける大祐もプッシュするものの1分9秒台を切ることができず、1周につき約1秒ずつ2台の差は広がっていった。
さらにプッシュをかける関口は時おりコーナーの立ち上がりでマシンをスライドさせながらも猛プッシュ。1分7秒台までラップタイムを上げてみせ、54周目までに34秒のという大量リードを築いてみせた。
その翌周の55周目にピットインすると、8秒の作業時間で悠々とトップ復帰を果たし、その後も終盤まで後続を引き離し続けると、今季2度目のトップチェッカーを受けた。
今シーズンはここまで毎戦異なる勝者が誕生していたスーパーフォーミュラだが、第6戦でようやく2勝目を挙げるドライバーが現れた。この結果、関口はシリーズランキングでも国本雄資(P.MU/CERUMO·INGING)を抜いてトップに立ち、ランキングリーダーとして最終戦に臨む。
関口から14.278秒遅れの2位には大祐が入り、自己ベストリザルトを更新する今季初の表彰台。そこから約4.4秒差の3位には一貴、ロッテラーの猛攻をしのぎ切った野尻が続いている。