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宇多田ヒカル、活動休止した理由を『SONGS』で明かす「私に求められてたものから逃れた」

2016年09月23日 11:21  リアルサウンド

リアルサウンド

宇多田ヒカル『Fantôme』

 宇多田ヒカルが、9月22日放送の『SONGS』(NHK総合)に出演。“大人の心を震わせる音楽番組”をコンセプトに掲げ、様々な形でアーティストの歴史を振り返る同番組で、約6年間の活動休止時期の生活や、2013年に亡くなった母・藤圭子への思いを語った。


(参考:宇多田ヒカルの新作『Fantôme』先行レビュー! 多彩なサウンドがもたらす「驚き」について


 番組は、宇多田とコピーライター・糸井重里氏の対談形式で進み、活動休止を決意した当時の思いを語り始めた。15歳にデビューした宇多田は、活動休止時に出した宣言を「今まで音楽ばかりやってきたし、流れをいったん止めたい、音楽以外のことをして成長したいという気持ちで発信した『人間活動』だった」と明かす。また、海外のカフェやレストランで働いてみたいという願望があったと話し、「本来の自分と自分のイメージだけがどんどん大きくなってかけ離れてしまって。しまいには、自分でもどんな状況に置かれているのか、自分のことなのによく分からない」という悩みを抱えていたことを明かした。宇多田は、これまでと違う生活を始めた休止直後に、「何も自分でできない人だった」と初めて気付いたと話した。


 番組中盤、糸井から休止中に何をしていたか尋ねられた宇多田は「歌うことは本当になかった。弾き語りの練習に好きな曲を歌うだけで、自分の曲は歌ってない」とコメント。宇多田は「仕事のプレッシャーとか私に求められてたものから逃れて、自分の習いたかった語学とか、図書館に通ったり。若い友達が多くできて、そういう二十歳前後みたいな遊び方をほとんど経験してこなかったので、遅くやってきたちょっとした青春みたいな感じで楽しかったです」と休止中の日々を明かし、「誰も私を知らないから。ただの人っていうふうに」と気が楽だったと話している。また、糸井から日常生活にも変化があったか質問を受けた宇多田は「今まで日常っていうものがなかったですね。ミュージシャンのめちゃくちゃな生活ですよ」と話し、子供ができてから久々に規則正しい生活を過ごしていると語った。


 なお、番組では、宇多田が2013年8月に亡くなった母親で歌手の藤圭子への想いや、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のために書き下ろした主題歌「花束を君に」をテレビ初披露した。


(文=向原康太)