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元王者マーティン・トムチェクが今季限りでDTM引退を表明、GT転向へ

2016年09月21日 16:51  AUTOSPORT web

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DTMからの引退を決めたマーティン・トムチェク
元DTMチャンピオンでBMWワークスに所属するマーティン・トムチェクが、今季限りでのDTM引退を表明。今後はBMWとともに耐久を中心としたGTシリーズへの参戦に集中すると発表した。

 現在34歳のトムチェクは、2011年にチーム・フェニックスで08スペックの旧型アウディA4DTMをドライブし、年間3勝を挙げてシリーズタイトルを獲得。2001年の参戦以来、キャリア通算で171戦に出走、7勝をマークしている。

「DTMはすでに僕自身の一部になっているし、この決断は僕にとって簡単なものではなかった」と、トムチェク。

「でも、今はお別れを言うときが来たと思うし、BMWとともに新しいスポーツへの挑戦を引き受けるべきだと思ったんだ」

「ここ数年、僕自身はドライバーとして成長を続けているし、このシリーズに参戦して16年が経って"DTMは自分自身にとってまだ正しい選択なのか?"と考えてきた。自分の期待に応えるだけのリザルトを出し続けることはできるか、とね」

「同時に、ここ数年は定期的にGTレースを楽しむ機会があって、年々コンペティションのレベルもプロフェッショナルに近づいてきていると思う。自分もドライバーとして進化を続けて、その世界への関与を深めることができるのではないか。それが決断の理由だよ」

 トムチェクはシリーズチャンピオンの肩書きと実績を買われ、2012年にシリーズへのワークス参戦を開始したBMWにヘッドハントされる形で移籍しているが、それ以前にDTMの世界でキャリア確立を助けたチームオーナー、ハンス-ユルゲン・アプトと、アウディスポーツ代表のウォルフガング・ウルリッヒに感謝の意を述べた。

「僕はその10年間でどのようにすればプロドライバーとして成長できるかを学んだ。ハンス-ユルゲンと彼のチーム全体に、心より深く感謝している。ウォルフガング・ウルリッヒとアウディからも、僕自身がモータースポーツの世界でやっていくために必要なあらゆる支援を受けた」

「そしてチーム・フェニックスと(その代表である)エルンスト・ムーザーは、2011年にDTMタイトルを獲得し、すべてを成功に導く上での鍵だった。それは明らかに僕自身のキャリアハイライトだ」


 BMWモータースポーツ・ディレクターのイェンス・マルカルトは、2012年のDTM復帰初年度にブルーノ・シュペングラーがドライバーズタイトルを獲得する際に、トムチェクが重要な役割を果たしてくれた、と回想する。

「マーティンがいない2012年シーズンを想像するのは難しい。それぐらい彼は我々のチームで重要な仕事をしてくれたんだ」と、マルカルト。


「マーティンは歴史上で他に類を見ないほど、このシリーズに深く貢献してきた。我々のDTMカムバックに際して2012年にBMWチームに加入したとき、彼の膨大な経験とノウハウがプロジェクトの推進を大いに助けてくれた」

「今ではマーティンがBMWファミリーとして非常に近しい存在となり、ブランドアンバサダーを務めてくれてもいる。彼が今後も家族の一員として留まり、未来のモータースポーツ・プログラムの重要な役割を長期的に担ってくれることを幸せに思うよ」

 トムチェクはこれまでBMWとともにニュルブルクリンク24時間に4度参戦。今季はスパ・フランコルシャン24時間レースでもBMW M6 GT3をドライブ。ドイツ国内を中心に開催されているADAC GTマスターズのオッシャースレーベン戦にも出場している。