メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフがシンガポールGP決勝でエステバン・グティエレスにニコ・ロズベルグが邪魔されたと発言したことを受け、ハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは、グティエレスが「たたかれ役」にされるのは理にかなっていないとして、強い反発を示した。
今年、グティエレスはブルーフラッグへの反応が悪いとたびたび批判を受けている。ハンガリーGPではルイス・ハミルトンが怒りを示し、ドイツではダニエル・リカルドが批判的な発言をした。
シンガポールGP後、ウォルフは、レース終盤、トップを走るロズベルグとぐんぐん追いついてくるリカルドの戦いを周回遅れになろうとしているグティエレスが「妨害した」と述べた。
「グティエレスとフェリペ(・マッサ)がポジションを争っており、そこに少し引っ掛かってしまった」とウォルフ。ロズベルグは最終的にわずか0.488秒差で勝利を獲得することができた。
「グティエレスに関しては、少なくとも相手が誰であろうと同じことをする。彼は誰も前に出そうとしない」
「ふたりが優勝を賭けてコンマ1秒の争いをしているのに、ひとりのドライバーがのんびり周回してそれを妨害する。それをするのがいつも同じドライバーなのだ」
「我々は(レースディレクターの)チャーリー(・ホワイティング)に対して叫んだ。フェリペはどいてくれたが、エステバンは前を走り続けて、フェリペとの間に築いたギャップを喜んでいた。彼はいい子ではあるのだけどね」
この発言を受け、シュタイナーはグティエレスを強く擁護した。
「彼(グティエレス)は今、たたかれ役になっている」とシュタイナー。
「だが私としては、彼は非常によくやっていたし、フェアな行動を取ったと考えている。彼はあの時、マッサと戦っていた。その時になぜどく必要がある? 必要なときにどけばいいのだ」
「彼の行動には何の問題もなかったと考えている。メルセデスのように圧倒的に強いチームは何を言うのも簡単だがね」
このところグティエレスへの批判が厳しすぎると思うかと聞かれたシュタイナーは、「そのとおりだ」と答えた。
「ルイスが彼に中指を立てたことから始まった。メルセデスのドライバーとして正しい行動だとは思わない。次にリカルドからも批判を受けた」
「(パスカル・)ウェーレインとの問題(注:ベルギーFP3でグティエレスがブロックしたとして5グリッド降格ペナルティを受けた)に関しては、こちらに非があると分かっており、謝罪も行った。あの件は全く別物だ。ペナルティも受けた。ただしあれはエンジニアがウェーレインが来るのに気付かなかったのであり、ドライバーのミスではない。それにしてはペナルティが厳しすぎた」
「今回の場合、彼ら(メルセデス)は何度も譲るよう要求する必要はなかった。我々はマッサと同じぐらいすばやく道を譲ったからだ」
「彼らには彼らの意見があり、我々には我々の意見がある。だがFIAは文句を言っていないし、罰も下さなかった」
「彼(ウォルフ)は、何か不満があるならスチュワードに言えばいいではないか」