イギリス・シルバーストンの“旧ホームストレート”をスタート・フィニッシュラインとしたショート版『ナショナル・サーキット』運用で開催されたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第10戦。
9月17日に行われた予選でポールポジションを獲得したトリプル8レースエンジニアリングのルーキー、アシュリー・サットンが、同じワークスMG6 GTを駆るジョシュ・クックとの白熱したチームメイト・バトルを制して今季2勝目を挙げた……かと思われたが、レース後にMG6の車両規定違反が発覚。
これで3位表彰台を獲得していたトヨタ・アベンシスのトム・イングラムが繰り上げで今季初優勝。同じくアベンシスをドライブするロブ・オースティンも5位から3位繰り上げとなり、トヨタがW表彰台を獲得することとなった。
18日に行われたラウンド25となるレース1では、ポールのMG6に並ぶフロントロウにつけたアベンシスが抜群のスタートをみせて先行。序盤のレースを引っ張る展開に。
その後方、2番手MG6サットンの背後では、フォード・フォーカスのマット・ジャクソンとMG6クックのバトルが勃発。アリーナストレートからブルックランズ、そして最終のルフィードに至るサイド・バイ・サイドの末、5周目の1コーナーでクックが3番手浮上。MG6は2台体制で首位のアベンシスを追う展開となる。
今季から公認申請でリヤサスを改良してきたアベンシスだったが、最終セクションではややワイドなラインを走行せざるをえず、7周目にはサットンに並ばれるなど苦しい展開。翌周にもバンパー・トゥ・バンパーで姿勢を乱され、失速した間隙を突いてサットンが前へ。続く11周にはマゴッツ~ベケッツのS字区間でクックにも並ばれると、最終セクションで先行を許し3番手後退となった。
そのままトップ3の順位は変わらず22周のレースはチェッカー。MG6が今季2勝目を挙げたかと思われたが、レース後の車検でMG6 GTのリヤウイング取り付け位置と角度規定に違反が見つかったとして2台をレース除外処分とし、イングラムのアベンシスが意外な形での勝利を手にした。
正式結果2位にはフォーカスのジョーダン。3位には、18周目にアダム・モーガンのメルセデス・ベンツAクラスとのバトルを制したハンディ・モータースポーツのアベンシス、オースティンが入った。
また、このレースでは前戦ペナルティの影響で27番手スタートだったシルバーライン・スバルBMRレーシングのコリン・ターキントンが見事なレース運びで10位入賞を果たしている。
続くラウンド26のレース2では、フォーカスのジャクソンが勝利。モーガンのAクラスが2位に入り、イングラムのアベンシスも連続表彰台となる3位フィニッシュ。4~5位にはスバル・レヴォーグのターキントン、ジェイソン・プラトが続いた。その背後にはジャクソンと同じフォーカスSTをドライブするジョーダンとなり、フォード・フォーカスの強さを印象づけるレースとなった。
そして最終レース3では、パンクやアクシデントでレース1を失っていたチーム・ダイナミクスのホンダ・シビック・タイプRが躍進。ゴードン・シェドンが勝利し、5位入賞のチームメイト、マット・ニールとともに大量ポイントを稼いでランキング首位のBMW125i Mスポーツのサム・トルドフに急接近。278ポイントとしたウェスト・サリー・レーシングのエース格に対し、シェドンが267ポイント、ニールが265ポイントの2、3番手に付け逆転選手権タイトル獲得へ向けて足場を固めた。
BTCC今季最終戦となるブランズハッチは、10月1~2日に開催される。