『Mステウルトラフェス2016』で発表された“日本に影響を与えた曲ベスト100”で22位にジョン・レノンの『イマジン』(Imagine)、7位にビートルズの『レット・イット・ビー』(Let It Be)がランクインした。洋楽からは85位にレディー・ガガ『ポーカー・フェイス』(Poker Face)、41位にベンチャーズ『ダイヤモンド・ヘッド』(Diamond Head)も入ったが、それぞれに影響を与えた背景があり興味深い。
9月19日、およそ10時間生放送された30周年記念特別番組『MUSIC STATION ウルトラFES 2016』(テレビ朝日系)ではスペシャル企画としてこの夏、日本全国で世代を超えて「日本に影響を与えた曲」についてアンケートした結果を発表した。3位は宇多田ヒカル『Automatic』、2位が坂本九『上を向いて歩こう』そして1位はSMAPの『世界に一つだけの花』となり、上位3曲を見ても選んだ世代や理由は様々であることがうかがえる。
「Let It Be」を日本語に訳すと「そのままにしておきなさい」「あるがままに」などの意味になる。「困ったり悩んでいるとマリア様がありがたい言葉をささやいてくださった」という内容から「なすがままに(なさい)」と訳されることが多い。日本のことわざ「人事を尽くして天命を待つ」はよく知られるが、『レット・イット・ビー』ではそのイメージをもっとリラックスして受け入れられる。10代の多感な時期に「人事を尽くして天命を待つ」の言葉は身の丈との違いから抵抗があっても、ポール・マッカートニーが「Let It Be」と歌えば「なるほど」と心に沁みるものだ。
ビートルズの最新映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』が9月22日から全国公開となる。作品に寄せられたミュージシャン・岡村靖幸のコメントには「悲しいことも耐えきれないこともビートルズを聴くと全て吹っ飛んだ…」とあった。きっと彼も『Let It Be』には大きな影響を受けたのではないだろうか。