レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、F1の新オーナーとなるリバティ・メディアが示唆した、チームも株主に名を連ねる可能性について、「理にかなった」ことだと評価した。
アメリカのメディア、コミュニケーション、エンターテイメント企業グループ、リバティ・メディアは、2017年初めに株式の35.3%を取得し、F1の筆頭株主になる。9月初旬には、その第1段階として18.7%を買い取った。
買収を正式に発表したステートメントで、彼らはチームにも「F1への出資に参加する機会を与える」つもりであり、出資条件の詳細などについては追って協議したい、と述べていた。
これについて、ホーナーは次のように語っている。
「チームは利害関係者なのだから、支配的株主になるのは間違っているが、少なくとも参加する機会が提供されるのは正しいことだ。チームこそがF1のバックボーンであり、(チームが株主になれば)将来についての意思決定は、商業権保有者、チーム、プロモーターなどの関係者全員に目を配ったものになるだろう。その意味で、私はポジティブなことだと思うし、適切にコントロールされている限りは、理にかなったことだと思う」
F1は10年間にわたって、未公開株式投資会社のCVCキャピタル・パートナーズによって支配され、その運営に対しては批判も少なくなかった。より適格と思われるオーナーの登場により、F1はさらに前進できると、ホーナーは感じているようだ。
「リバティのようなグループがF1の株式を取得するのは、ベンチャーキャピタルが株を持っているよりも、はるかに望ましいことだ。コンコルド協定もあと4年で期限切れというこの段階で、リバティのような会社があれだけの金額を払うのは、彼らが長期的な見通しと将来に向けての計画を持っているからだと思う」
「それはファンにとってもチームにとっても良いことだ。彼らが、F1をかつてなかったほど力強いものにしてくれるような、優れたアイデアを生み出すことに期待したい」
リバティにとって重要な目標のひとつは、ソーシャルメディアやグループ内の様々なメディアアウトレットを利用して、より若い世代の視聴者を引き込むことだ。
ホーナーによれば、ティーンエイジャーとしてF1にデビューしたマックス・フェルスタッペンへの世間の反応を見れば、若い世代のファンを呼び入れるチャンスが存在するのは間違いないという。
「彼(フェルスタッペン)がどれほどオランダの人々の関心を集めたかは、スパを訪れたファンの数を見れば明らかだ。少し時代を遡れば、フェルナンド・アロンソもスペインで同じような現象を起こしたし、もちろん他のドライバーでも同様の例はあった」
「今日、世界は大きく変わりつつある。人々は様々な選択肢を持ち、それぞれの好みに応じたコンテンツにアクセスできる。F1が取り組むべき部分はそこだと思う。それにはまず、私たちが提供するものの質を高め、ファンがより楽しめるようにすることだ。来年からのレギュレーションが、ある程度まではそれに役立つものと期待している」
「個人的には、マシンが発するサウンドの問題が今後の課題だと思っている。やはり音はF1の重要な構成要素のひとつだからね」
「だが、同時にその他のデジタルプラットフォームやメディアを利用して、一般大衆やさらに多くのファンを引き入れていく必要もあるだろう」