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宇多田ヒカル、作詞法について明かす「辛くなると分かっててやりに行くことに意味がある」

2016年09月20日 12:21  リアルサウンド

リアルサウンド

宇多田ヒカル『Fantôme』

 『ミュージックステーション ウルトラFES 2016』(テレビ朝日系)の9月20日放送回に、宇多田ヒカル、 嵐、AKB48、乃木坂46、松本孝弘、THE YELLOW MONKEY、観月ありさ、福山雅治、浜崎あゆみ、など豪華アーティストが出演した。


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 『ミュージックステーション』の30周年を記念した同番組。“名曲・ヒット曲”だけの10時間編成で、特別企画「日本に影響を与えた曲ベスト100」も発表した。


 番組前半には、槇原敬之が登場。SMAPに提供した「世界に一つだけの花」が300万枚を突破したことが紹介されると、槇原は「すごいですね!」と嬉しそうに答え、続けて制作した際のことについて聞かれると「あれは特別でしたんで。自分が一生懸命書くものとは違って、よく言うところの見せてもらったものをそのまま写したような。パッ!パッ!と見えたものを書けたんで、神様からこれはもらったんだなという感じでしたね。トータルで全部書くのに20分、30分で。あんなのはもうないですけどね」と制作秘話を明かすと、司会のタモリも「早いね!」と驚きを隠せない様子であった。槇原はその後「もう恋なんてしない」を披露した。


 番組後半には、8年ぶりのMステ出演となる宇多田ヒカルが登場。タモリとのスペシャル対談VTRが放送された。冒頭、2人は以前中目黒のそば店で偶然出会っていたことに触れながら、6年の活動休止期間について「こういう世界からとにかく離れたくて、一旦リセットしたいなと思って。段々分からなくなってきちゃって。みんなから求められてる私と、ただの私が離れてく。生きたい気持ちに行ってない。かと言って『どこに行きたいの? 止まろう』みたいな」と当時の心境を明かした。


 パフォーマンスする「桜流し」は、2011年の震災後に制作した楽曲。宇多田は作詞について「そこ(震災)に思いを馳せた曲です」と明かし、続けて作詞法については「私は音で聞こえてくるんですよ。メロディーとかコードとか書き上げてあって、最後じゃないと書けないんです」と話した。タモリが「2回だけ作詞したことがあるんだよね。俺はその苦労を知ってるから」と述べると、宇多田は「一番とりかかるのが億劫な作業ですね。『また、作詞がある……やりたくない』って正直思います。登山みたいなもんで、最初から辛くなると分かっててやりに行くことに意味があるんですよ」と自論を展開した。


 宇多田の「桜流し」のパフォーマンスを聴いていた浜崎あゆみは、宇多田の歌唱について「ちょっとボーイッシュなイメージだったじゃないですか。でも、もう素敵な女性という感じで」と真摯にコメントしていた。また、番組内での企画「日本に影響を与えた曲ベスト100」の1位にはSMAPの「世界に一つだけの花」が選ばれた。次回の通常放送は10月14日に放送される予定だ。


(向原康太)