17日~18日、富士スピードウェイでインタープロトシリーズの第3大会が行われ、2戦とも激しい雨のなかで決勝が行われたプロフェッショナルクラスでは、第5戦を中山雄一(IPS-01)が、第6戦では坪井翔(J-Gear & とおる君)が優勝を飾っている。
今回に限り、インタープロトシリーズのプロフェッショナルクラスにドライ用のソフトタイヤが投入された。ドライコンディションで行われた予選でポールポジションを獲得した中山は「ピークを迎えるのは早かったんですが、グリップは確実に向上していました。そのタイヤにマッチしたセットをいち早く見つけた人が速かったようですね」と振り返る。
これに石浦宏明(INGING MOTORSPORT)、松田次生(J-Gear&air-J)、坪井が続いた。 しかし、坪井は走路外走行のペナルティにより、クラス最後尾からのスタートとなってしまう。
その予選までは天候に恵まれたものの、決勝レースが行われた日曜日は、あいにくの雨模様。そのため、第5戦はセーフティカースタートとなり、3周の先導を経てバトルが開始される。
プリウスコーナーから加速し、うまく石浦を引き離した中山は1周だけで1秒半のリードを確保。松田はジェントルマンクラスをともに戦うパートナーがクラッシュを喫してスタートできず、柳田は労せずして3番手に浮上する。
本来8周で予定されていたレースだが、SCランでペースが鈍ったことから、規定の15分間に達して6周で終了に。3周連続でファステストラップを更新し続けた中山が、そのまま逃げ切って、今季3連勝を達成。石浦、柳田も単独走行となり、唯一順位を上げてきた坪井が4位に入った。
CCS-Rクラスは、予選トップだった新田守男(NTP RACING PN CCS-R)が電気系トラブルでピットスタートを強いられ、これでトップに立った阪口良平(AREA倉敷CCS-R)が逃げ切る展開となる。最後は追い上げてきた新田が背後に迫ったが、逆転を許さずトップチェッカーを受けた。
第5戦の終了から間髪入れず行われた第6戦も、レインコンディションのため、ふたたびSCスタートに。今度は1周の先導だけとなるが、SCが離れた途端に雨が強くなってしまい、2周目にSCがまた入り、3周目を終えた直後に赤旗が出されることに。
本来は10周もしくは20分間のレースだったものの、無情にも時間は刻一刻と過ぎていき、やがて「走行はしばらく見合わせます」とのアナウンスが。結局、約20分間の中断の後、残り10分間でレースは再開されることとなった。
同じ轍は踏むまいと、今度は石浦がSCラン明けのスタートで中山にピタリとつけて、そのまま逃げ切りを許さず。それどころか6台がずらり数珠繋ぎになっていた。そのなかでもっとも勢いに満ちていたのが坪井だった。
すかさずダンロップコーナーで柳田のインを差し、3番手に浮上。次の周のプリウスコーナーでは石浦さえ抜き去り、2番手に躍り出る。その時点で、トップ中山との差は1秒6にも達していたが、今度は坪井がファステストラップを連発して徐々に差を詰めていく。
それでも最終ラップに突入した時点でほぼ1秒の差をつけられていたが、「セクター2で思っていた以上に差が詰まったので、セクター3のどこかで抜こうと思っていました」と坪井。しかし、プリウスコーナーで縁石に乗ってしまい、わずかながらも姿勢を乱してしまう。
これで中山の逃げ切りかと思われたものの、最終コーナーで中山のインに飛び込んでオーバーテイク。トップに浮上する。交わされた中山もストレートで抜き返そうとしたが、コンマ3秒届かず。坪井がIPSで初優勝を飾ることとなった。
「一か八か行ってみました。少々強引でしたけど。プリウスコーナーでミスっていたから、いったんは『やば!』って思ったんですけどね」と坪井は嬉しさをにじませる。
一方、敗れた中山は「最初のレースから(坪井は)速かった。スタートが決まったから逃げ切れたけど、2レース目はもうどうしようもなかったというか、ちょっとびっくりしました」と語る。3位は石浦で、2戦ともに表彰台に立つことに成功している。
CCS-Rクラスでは阪口が連勝。「IPSに近づいちゃって、最終ラップの1コーナーで水しぶきを浴びたせいでミスしてしまって。それで新田さんにまた近づかれました」と冷や汗ものの勝利だったことを明らかに。
なお、唯一土曜日のうちに行われ、ドライコンディションで争われたジェントルマンクラス第5戦では、DRAGON(B-MAXインタープロト)がポール・トゥ・ウィンを達成。日曜日の第6戦はウエットコンディションとなり、SCスタートで4周の先導の後、普通にバトルが行われたのは2周だけという波乱の展開に。
ラスト3周はSCランのままチェッカーが振られることになった。ここでもDRAGONが危なげない走りを見せて連勝を飾っている。