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『闇金ウシジマくん』山口雅俊監督 × 岩倉達哉Pが語る、シリーズ6年間の挑戦と進化

2016年09月19日 17:21  リアルサウンド

リアルサウンド

山口雅俊監督と岩倉達哉プロデューサー

 2004年に誕生した真鍋昌平の問題作『闇金ウシジマくん』が山田孝之主演でテレビドラマ化されたのは2010年10月だった。金と欲に翻弄されて闇金に吸い寄せられる人々を描く取り扱い注意のコンテンツはその後、3本の連ドラと4本の映画となり、2016年にピリオドを打つ。作品を重ねるごとにキャストの顔ぶれが豪華になり、クオリティが高まり、人気コンテンツとなった理由とは? そしてこのタイミングでシリーズを終える理由とは? 企画を立ち上げたプロデューサーであり、監督も手がけた山口雅俊氏と、岩倉達哉プロデューサーに話を聞く。


参考:『闇金ウシジマくん』の世界はもはや日常風景に? “貧困化する日本”のリアリティ


※テレビドラマは〈Season1〉〈Season2〉〈Season3〉、映画は〈Part1〉〈Part2〉〈Part3〉〈ザ・ファイナル〉と表記


■岩倉「フィナーレは自然と『ヤミ金くん編』に着地しました」


——まず「なぜ終わるのか」を教えてください。


山口雅俊(以下、山口):今回のドラマと映画についての最初の打ち合わせの席で、山田君が「そろそろ終わってもいいのではないか」と切り出しました。真鍋さんは粛々と面白いマンガを描き続けてらっしゃるので、「今、連載中のものを映像化しなくていいのか?」という議題はありますが、ひとまずそれは忘れて、ピリオドを打つことになりました。


岩倉達哉(以下、岩倉):山田さんが『闇金ウシジマくん』を6年間やり続けてきて「やりきった」と言うのであれば、そこで終わるのがタイミングなのかなと思います。


——そして、あの美しい〈ザ・ファイナル〉が誕生した。シリーズ最高傑作だと思います。


山口:ありがとうございます。山田君に「やってよかった」と思わせる作品にしなきゃいけないと思って〈ザ・ファイナル〉を作ったので、山田君が綾野剛くんに「すっげー面白かった」と感想を言ってくれたらしいということで、名実ともにシリーズが終わりました。


——〈ザ・ファイナル〉に「ヤミ金くん編」のエピソードを選んだ理由は?


岩倉:丑嶋の過去が唯一描かれる「ヤミ金くん編」は、原作のなかでも人気エピソードです。山田さんややべきょうすけさんとも、「あのエピソードはいずれちゃんと実写で形にするんだよな」という暗黙の了解があったので、今回のフィナーレは自然とあそこに着地しました。


山口:早い段階で「なんであれをやらないのか?」とは言われていたんです。でも、積み重ねていかないとルーツは描けないじゃないですか。満を持しての「ヤミ金くん編」です。


■山口「普通のドラマのふりをして、徐々に過激にしていきました」


——このシリーズを、テレビドラマと映画という2つのメディアで展開した意図と効果を改めて教えてください。


山口:真鍋さんの原作は、僕がフジテレビ時代に映像化させて頂いた『ナニワ金融道』の原作と並んでお金をモチーフにした漫画歴史に残る作品なので、誰でも無料で簡単にアクセスできる地上波のテレビでオンエアすることがとても重要だと思いました。でも、丑嶋という犯罪者が主人公で、下手すると丑嶋の言っていることが正しく見えるこの作品は、テレビ的には危険です。いちばん制約が厳しいテレビというメディアで映像化するために何をすべきかを考えていきました。


——具体的には?


山口:連続ドラマのの第1話は、業界の人間や関係者も見ますし、ものすごく注目されるわけです。だから、〈Season1〉の第1話はものすごくいい話にして、普通のドラマのふりをして、徐々に過激にしていきました。原作のファンからは「〈Season1〉の第1話は原作の過激さや怖さが出ていない」と言われましたが。想定内でした。


——最初のドラマですべて出し切るつもりではなかったと。


山口:あとはテロップですね。ドラマの最後に入る「このドラマはフィクションです」というテロップは、一応の逃げ道になります。とはいえ『闇金ウシジマくん』の場合は、フィクションテロップだけでは済まない心配があったので、劇中で犯罪や不法行為を描写するシーンでいちいち「犯罪です。」「闇金は犯罪です。」といったように、しつこいほどテロップを入れていきました。フィクションテロップをさらに武装しつつ、ある程度地上波で受け入れられる作品のフォーマットを探りながら、映画化への展開を目指しました。


岩倉:劇中の「犯罪です」テロップは、〈Season1〉の撮影が終わってから、山口さんから「入れようと思う」と提案がありました。ああいうテロップを監督は嫌がりますけど、プロデューサーとして数々のドラマをつくられてきた山口さんだから出せるアイデアだと思います。視聴者への啓発のためにただ入れるのではなく、どうやったら面白さを維持できるかを探りました。


——たしかにあのテロップは、犯罪の解説ではなく、ストーリーや設定、登場人物へのツッコミになっていますよね。「みなさん、なんで犯罪を当たり前のように受け入れてますの?」と。


岩倉:そうです。僕はそもそも、『闇金ウシジマくん』においては、テレビと映画で展開することが効果的だと思っていました。ああいうトーンの原作をどうやったらテレビドラマで成立させられるのかを山口さんが必死で考えた結果、テレビドラマにたくさんのファンがついた。山口さんがおっしゃったように、債務者よりも正しいことを言っているようにみえる丑嶋をヒーローとして捉えたくなる気持ちは僕にもあります。でも、ちゃんと見れば、丑嶋馨は犯罪者であることがわかるようにつくってある。特に最初の映画をつくるときは、闇金を礼賛せずに、見た人のなかに何かが残る作品であることを、改めて理解してもらう必要があると思いました。


——例えば何をしましたか?


岩倉:実際に闇金の被害に遭って苦しまれている方々が相談する団体があるんです。〈Part1〉をつくる前に、「こういう作品をつくることを理解していただきたい」とお願いしたところご理解いただきまして、〈ザ・ファイナル〉に至るまで、エンドロールにお名前をのせさせていただいています。それは他の作品ではやらないことですし、そういうことを積み重ねてきたシリーズです。


■山口「制約があったからこそドラマとして面白くなった」


——原作のエピソードを、どうやってテレビドラマと映画に振り分けたのですか? 単純に考えると、過激なものは映画になりそうですが。


山口:すごく広い画を撮りたいエピソードや、映画でしかできないような予算がかかるエピソードは映画で撮りました。〈Part3〉で、藤森さんが演じる中年サラリーマンの加茂が河原で燃やされるシーンは、テレビドラマとして準備してたんですけど、ちゃんとスタントを使って、大画面で走り回る加茂を撮るべきだなと考えなおして映画にしました。


岩倉:真鍋さんの原作に、見開きで挟まれる大きく引いた風景などは、テレビではなかなか表現できません。〈Part1〉で大島優子がネットカフェで寝る直前にインサートされる朝を迎える東京の風景も、映画だからこその効果的なカットですよね。


——逆にいうと、過激さが振り分けの基準ではないから、あの問題作「洗脳くん編」を〈Season3〉にしたんですね。


山口:「洗脳くん編」は過激だってことで映画でもいいんですけど、ドラマでやったほうがいいじゃないですか。


——なぜですか?


山口:みんな、びっくりするから。…かな?


岩倉:(笑)


——びっくりしました(笑)。通電の描写をよくやったな…と。


山口:通電の描写はゴールデンタイムでもやろうと思えばできます。やらないだけで。


——自主規制でしょうか? テレビでの作品作りに窮屈さを感じますか?


山口:テレビの制約は大事で、ないよりもあったほうがいいものができます。制約がないと逆に難しい。今回の「洗脳くん編」も、先が気になるストーリーとしての面白さを考えると連続ドラマでやりたかったし、制約があったからこそドラマとして面白くなったと思います。


■山口「世界では監督がモニターを見ながら出資者と切った貼ったをやっている」


——6年間を振り返って、なにがいちばん大変でしたか?


山口:立ち上げのときですね。〈Season1〉はオンエア枠が決まらない状態で撮影の初日を迎えたので、撮り始めてしまった。通常のビジネスとして考えれば絶対にやってはいけないことです。


岩倉:(苦笑)


——映画では上映する劇場が決まる前に撮ることは珍しくありませんが、ドラマでは初耳です。


山口:いくつかの局に企画を持って行きましたがダメで、毎日放送とTBSだけは可能性があったんです。でも、「犯罪者が主人公の作品を、果たして地上波でオンエアしていいものか」という議論が局内であり、なかなかゴーサインが出なかった。いくら「社会問題を啓発していくようにつくります」と言っても、局の立場としては「犯罪者を美化し、犯罪を助長するのではないか」と心配になりますよね。


岩倉:極端な話、タイトルから「闇金」を外して『ウシジマくん』にすれば企画が通りやすいですが、そこが作品のアイデンティティですから外せるわけがないですよね。


——結局、ゴーサインが出たのはなぜですか?


山口:関係各位が「もういいだろう。あの「ナニワ金融道」を映像化した山口にやらせてみよう。」と(笑)。


——局のOKが出る前の制作費はどうやって用立てましたか?


山口:まず僕がだしていきました。だいぶリスクをとりました。そういう意味でも〈Season1〉は、通常のドラマとは成り立ちが違ったので、危険な企画でした。最初の頃はほぼほぼ寝ずに、徹夜が続いて。SDPさんが参加する前は資金も集まらなくて、参加してからもまだ足りなくて。


——岩倉さん(SDP)は途中参加だったんですね。


岩倉:僕も原作を面白いと思っていて、小学館さんに聞いたらすでに映像化に向かって動いているということで、「そっかー」と思っていたところ、山田孝之のマネージメントサイド(スターダスト・プロモーション)から、彼が丑嶋役で監督が山口さんだという情報が入ってきたんです。第1話の台本を読ませてもらったらすごく面白かったので、一緒にやる方法を探っていったところ、オンエアができるかどうかまだわからないタイミングだったので、「うちも映画化に向けてドラマの宣伝を頑張って盛り立てますので」という形で入らせてもらいました。


山口:でも、まだ金が足りなくて。僕がフジテレビでプロデューサーをやっていた頃って、最もいい時代だったんです。技術の撮影機材や美術、弁当のクオリティから、キャスティングにおける力関係においても絶頂の黄金期でから、制作費の苦労なんてしたことがなかった。「ロング・ラブレター~漂流教室~」で1億円の赤字を出したのに立たされて「ごめんなさい」で済んでいた時代。


——それに比べてこの現場はお金がない。


山口:自分は監督として、現場でモニターを見ながら、「あといくら足りない」みたいな話をしていいものかと悩んでいたんです。でも、国際的に活躍しているアジアのある監督が、モニターを見ながら携帯電話で出資者と「何千万か足りない」と話している一方、それだけ逼迫しているにも関わらず、プロデューサーに「このカットを撮り直したいから女優をパリから呼び戻せ」と言っていたという話を聞いて考えが変わりました。そういうことって絶対に大切なんです。規模の違いはあれど、世界では監督がモニターを見ながら出資者と切った貼ったをやっている。特に『闇金ウシジマくん』のような作品は、フジ時代のように大きな予算をつけてもらって赤字だ黒字だと言っている世界とはまた違う、混沌をくぐり抜けて新しいものを生み出すべきだと腹が決まりました。


■岩倉「山口さんのキャスティングへのこだわりはものすごい」


——ドラマ、映画と、作品を重ねるごとに、つくりやすくなっていきましたか?


山口:そうですね。山田君の俳優としての飛躍的な成長とともに、山田君と共演したいという若手が増えたので、キャスティングはとてもしやすくなりました。


岩倉:山口さんのキャスティングへのこだわりはものすごいですよ。ここまで続いた大きな理由のひとつだと思います。オーディションで、尋常じゃない数の俳優に会うんです。


山口:オーディションかオファーです。


岩倉:スターダスト・プロモーションの役者がたくさん出ている〈Part2〉でバーターを疑われましたが、天地神明に誓ってしていません。「この作品で、この役を演じるあなたが必要です」と、必死に頭を下げて出てもらっています。柳楽優弥くんがストーカー役を演じたのも、さっき山口さんが言った「びっくりさせたい」に通じています。あの時期の柳楽くんがあの役をやるとは世の中も思っていなかったし、菅田将暉くんや窪田正孝くんも今の2人じゃないタイミングでキャスティングできたことは山口さんのこだわりの結果です。ただ、山口さんの要望に応えなければいけないキャスティング・ディレクターは大変です(苦笑)。〈Part2〉の高橋メアリージュンさんの役はクランクインしても決まらなくて、撮影現場に候補者を呼んでオーディションを続けてますからね。


——えー!


岩倉:山口さんは、数々の修羅場をくぐり抜けてきたからか、慌てないんです。僕は心臓が小さいから、インした段階で決まらないキャストがあるなんてありえない。撮影がどんどん進むなか、キャスティング・ディレクターと新宿の喫茶店に缶詰状態で「この人どうでしょう」と焦りっぱなしでした(苦笑)。


山口:映画と連ドラの違いはありますよね。10日後にオンエアしなければいけないゴールデンの連ドラで3ページしか脚本が上がっていないなんて経験に比べたら、映画はなんとかなるんですよね。撮り順を変えればいいじゃんって。


——簡単におっしゃる(笑)。


岩倉:「まだ(他にいい役者が)いるんじゃないかなあ~」ってボソっと言うんですよ。「いやいやいや! 隅から隅まで探しましたよ!」って説得にかかるんですけど聞いてもらえず(笑)。でも結果、高橋メアリージュンに出会えたんで、妥協せず粘る意味ってあるんですけどね。


山口:キャスティングでものすごく大きかったのは、〈Part1〉に、当時AKB48でセンターを張っていた大島優子さんがヒロインとして出演してくれたことですね。


岩倉:総選挙で1位に返り咲いた絶頂期でした。山田孝之を筆頭に若手俳優たちが芝居合戦をするという図式がまだ確立できていない段階で、こちらの熱意を汲んで思い切って飛び込んでくれた功績は大きいですし、とても感謝しています。



——『闇金ウシジマくん』シリーズが、危険な題材でありながら、メジャーで息の長いコンテンツとなったターニングポイントのひとつが大島優子だった。


山口:そう思います。


■山口「お金の本質の恐ろしさを伝えたい」


——山口さんは、なぜドラマや映画をつくるのでしょう? さきほどおっしゃったように「びっくりさせたい」から?


山口:新しいジャンルの提示ですとか、例えばお金とはなんなのか、お金の本質の恐ろしさを伝えたいというのはあります。世の中で、教えるべきなのに教えないことってあるじゃないですか。例えば人への謝り方とか、お金との付き合い方とか。そういうことを面白く学べる教材になればいいな、という思いはあります。


——山口さんがフジテレビでつくった『ナニワ金融道』シリーズや『カバチタレ!』に通じるテーマですね。


岩倉:あんなドラマをつくるプロデューサーってなかなかいませんよね。


山口:僕がフジテレビに入ったときは、トレンディドラマの全盛期でした。でも、経済っていうか景気の波と一緒でいつかトレンディ―ドラマ以外のジャンルも求められることが目に見えていたので、漫然とトレンディドラマをやってたら自分は生き残れないとわかっていたんです。


岩倉:だからあの時代のフジテレビにいながら『ナニワ金融道』をドラマにしたんですね。たしかにあれは新しかった。だから僕は、山口さんのつくる『闇金ウシジマくん』でも、何か新しい現象を起こせるだろうなと思ったんです。


——そして人気シリーズとなった理由を、山口さんはどう分析しますか?


山口:危ない橋は渡ったものの、大きな失敗さえしなければ、世間に受け入れられるだろうなとは思っていました。『ナニワ金融道』は6本つくったんですけど、終盤の頃(2005年)には、原作で描かれる大阪の街金の世界が牧歌的に見えるくらい、社会は苛烈化し、格差も広がっていた。「もっとすごい世界があるぞ」という話は、ご存命中の緒形拳さんと話していたんです。そう考えると、2004年から連載が始まった『闇金ウシジマくん』という作品は、当然生まれるべくして生まれた作品ですし、今の時代を切り取る面白さが間違いなくありました。なによりも、「トゴ(10日で5割の利子)」という異次元のすごさがありました。丑嶋という主人公のキャラクターとしての強さも今の時代に合っていたと思います。『ナニワ金融道』は灰原という岡山出身の主人公が、大阪の街金・帝国金融というコテコテのナニワの世界にやってきて、法律をギリギリのところで犯さずに、債務者から絞り上げる方法を会得していく。視聴者は灰原という標準語を話す男と同じ目線でナニワの世界に入っていく。それがドラマや映画のオーソドックスなつくり方なんですけど、今の時代は主人公がすでにキャラ立ちしているもののほうが受け入れられやすい。丑嶋もまさにそうで、最初から完成した状態で登場し、客やライバルがその周りで右往左往して人間ドラマが展開する。丑嶋はいわば自然現象、天災、すなわち怪獣映画と同じ感覚ですね。


―――キャラ立ちした主人公で、他につくられた作品はありますか?


山口:企画段階に参加した『ハケンの品格』とか。人がつくったものですが『女王の教室』とか素晴らしかった。第1話から強烈にキャラ立ちした主人公がガーンと登場するストーリーでないと、今の視聴者には人公の成長を毎回追っていくだけの時間も我慢もない。受け手である視聴者の集中力がそこまでなくなってしまった原因は、ドラマでもバラエティでもあれこれわかりやすく説明し過ぎてきた送り手、つまりテレビ局の作り手側にもあるのではないでしょうか。


岩倉:確かにそうです。


——では最後に、テレビドラマや映画という映像コンテンツの展望をお聞かせください。


山口:これからのテレビ視聴者は、スマホをいじりながらテレビを見るようになると思うんです。そういう集中力の視聴者を対象にするには、30分、15分といった枠でドラマをつくる必要があるかも知れないでしょうね。


岩倉:YouTubeを開けば素人の方の動画が無料で見れて、テレビのバラエティでも素人をいじる昨今の視聴者は、ターゲットの狭い、味の濃い映像に慣れてしまっているなと感じます。それに比例して、映画もアトラクション性が高い体感系の作品や、壁ドンのように映画の中の数シーンにキャーと反応して満足するイベント系の作品が増えている。でも、僕はあくまでも、物語で満足させる映画づくりにトライしていきたいなと思います。


山口:僕は映画に関してはビギナー、新参者なので大きなことは言えないですが、日本人だけが出演して日本語をしゃべり、日本のモチーフを取り扱う作品は、日本の人口が減っていく今後は縮小していくしかないので、海外の役者もキャスティングし、日本ではない題材も扱っていかないと、日本映画は産業として生き残れないとは思います。俳優は日本語以外の言語や、アクションに堪能であるといったように、表現ツールを増やす必要があると思います。


——トレンディドラマ全盛期だったフジテレビ時代に『ナニワ金融道』をつくったように、山口さんが次に何をつくるのかが気になります。


山口:はい。ありがとうございます。……でも秘密です(笑)。(取材・文=須永貴子)