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F1シンガポールGP決勝 トップ10ドライバーコメント

2016年09月19日 16:31  AUTOSPORT web

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2016年F1第15戦シンガポールGP ニコ・ロズベルグが優勝。ランキングトップに
2016年F1第15戦シンガポールGP決勝トップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。

■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
 最高の週末だったよ! これまでシンガポールのコースは僕にあまり親切じゃなかっただけに、今日の優勝は特別だ。余計に感激するよ。

 予選がうまくいったことで、週末が完璧な形でスタートした。決勝ではいいスタートを決めて、レッドブル2台とフェラーリ2台の前の位置をキープすることができた。去年はこのふたつのチームに太刀打ちできなかったけどね。

 終盤は本当にきつかったよ。ダニエル(・リカルド)が賢いタイミングでピットストップをしたんだ。僕がもう一度ピットに入っていたら、彼の後ろでコースに復帰することになったかもしれない。インラップでトラフィックに引っ掛かってしまったからだ。そのため、僕らはステイアウトするのが一番いいと思い、この戦略を選んだ。いい判断をしてくれたチームに心から感謝する。

 去年のミスから学び、この明らかにレッドブル向きのサーキットで勝てたのは本当にすごいことだ。僕らのエンジニアリングチームの能力と強みが発揮されたね。

 次のマレーシアが楽しみだ。でもとりあえず今夜は優勝のお祝いをしなくちゃ!

(3回目のピットストップを行わなかったことについて聞かれ)トラフィックに引っ掛かってすごく遅いラップになってしまったから、入れなくなった。入ったらダニエルに負けただろう。

 ピットストップの後、残り10周か15周のころ、チームから、レース終盤にはダニエルがすぐ後ろまで来ると言われた。だから最終スティントではすべてをうまくやり、いいラップを走らなければならなかった。すごくうまくいった。最後までしっかり管理し、タイヤも持った。

 最終ラップに入った時、もうだいじょうぶだろうと思った。ダニエルのタイヤはそのころにはフレッシュな状態ではなくなっていたからね。

■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=2位
 あと少しだったね。できることはすべてやって、ほぼ完璧なレースができたと思う。スタートでうまくニコ(・ロズベルグ)をとらえてさえいれば、もっと良い結果になっていたかもしれない。

 だけど、レースが終わるまでは、彼に追いついたらどうするかはあまり考えず、とにかく早く追いついて、プレッシャーをかけようということに集中していた。きっと、ニコのエンジニアが無線で、「リカルドが追い上げてきた。1周あたり2秒速い」と言っていると思ったからね。誰だってそんな話を聞かされれば、気持のいいものではないだろう。だから、僕はとにかくプッシュし続けて、観客にも楽しんでもらおうと考えていた。

 そして、終盤はスーパーソフトで目いっぱいプッシュして、何とかひと波乱起こそうと思ったんだけど、わずかに届かなかった。 

 でも、僕には何の後悔もない。僕らは勝つためにここへ来て、結果としては勝てなかったとはいえ、コース上ですべてを出し切ったからだ。

(Formula1.comのインタビューに答え)全然がっかりしてないよ。すべてやり切ったから満足だ。結果的にあの戦略を使って勝つことはできなかった。でも最終ラップまでプッシュできたから楽しかったし、少なくともニコにプレッシャーをかけることはできた。お客さんも「もしかしたら」と思いながら見ることができたんじゃないかな。

 今日はよくやったよ。コンマ5秒以内まで迫ったんだから。レースの後にチームの皆に言ったんだ。「また勝つチャンスはあるよ」ってね。今後、雨のグランプリがあれば、優勝を狙えると思う。


■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=3位
 難しい一日、難しい週末だった。一時は表彰台すら逃すかもしれないと思った。でも幸いそうはならなかった。

 スタートはまずまずだった。順位を落とさなかったからよかった。前回のことを考えるとね。でもセーフティカーが戻った後、苦労し始めた。レースの間、ほとんどの時間、ブレーキの温度が危険なレベルに近づいていたので、冷やすためにペースを抑えながら走らなければならなかった。一度、ミスをしてワイドになってしまい、キミ(・ライコネン)に抜かれた。でも幸いマシンが軽くなってくると、温度を抑えることができるようになり、フレッシュタイヤを履いてプッシュできた。そしてピットストップを使ってキミを抜き返した。

 ペースと戦略には問題はなかった。すべてはブレーキだ。スタートの時点から、首位グループがどんどん遠ざかっていくのを見ているしかなかった。だから今日はよくても2位までしかいけなかっただろう。もしこれがシーズンの中で最悪の週末だというなら、受け入れられる。

 こういうことが起こると自分が試される。今は次のレースを楽しみにしている。次に挑戦できるチャンスをね。強力な週末を何度か送って、目指す位置に戻る必要がある。

(ポイントリーダーの座を失い、ニコ・ロズベルグに8点の遅れをとることになり心配かと聞かれ)確かに去年の今頃とは状況がかなり違うけれど、今年はいろいろありながらも、今も戦いに加わっている。まだ先は長い。これからも全力を尽くしていくよ。

■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=4位
 悪くないレースができたと思う。クルマの動きは良かったし、スピードも十分にあった。言うまでもなく、ここではオーバーテイクはきわめて難しいのだが、一度は(ルイス・)ハミルトンのミスに乗じて、彼をパスすることもできた。その後のピットストップで、ポジションを取り返されてしまったけどね。

 あそこで順位を失ったのは確かだけど、僕にはどうして彼らが逆転できたのか分からないし、もしステイアウトしていたらどうなっていたかも分からない。あらゆることを見直して、いったい何が起きたのか、どこに改善の余地があったのかを調べないといけない。 

 今日はスタートの位置から、ひとつ順位を上げてフィニッシュすることができた。だが、もちろん僕らが求めているのはそんな結果ではない。求めているのは、優勝を争う位置にいることであり、そのためにはもう少しクルマを速くする必要がある。

(最後のタイヤ交換をしなくてもソフトタイヤで最後まで走り切れたと思うかと聞かれ)最後まで行けたと思う。ただし、そうした場合に彼らが追いついて僕らを抜くことができたのかどうか、今のところ僕には分からない。 

 僕らには何かできることがあっただろうけど、後からそれを言うのは簡単だ。彼らにポジションを奪い返された。でもその時点で僕らにやれることはほとんどなかった。


■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=5位
 今日の戦略が正解だったのは間違いない。途中でまたセーフティカーが入れば、大きく順位を上げる可能性もあった。でも、それは実際には起きなかったのだから、5位は十分に良い結果だと思う。

 チームに感謝したい。昨日の予選の後では、ちょっと落ち込んでいたんだ。大事なところで起きてほしくないことが起きて、それでも気持ちをコントロールして、前へ進まなければならなかったからね。

 レースのスタートはあまり良くなかったけど、いきなりアクシデントがあったので、少し気楽に構えていくことにした。何よりも重要なのは、クルマを壊さないことだ。僕はソフトタイヤを履いていて、リスタートの後はなかなかタイヤを機能させられなくて苦労した。結果として、前のザウバーを抜くのに手間取り、そこでずいぶんタイムロスがあったんだ。

 でも、レース終盤に残してあったウルトラソフトを履いて、本来のペースを発揮して見せる時まで、とにかく無事に生き残ることが大事だった。終盤は前後に大きなギャップがあって、楽な気持ちで走ることができたよ。

 フェラーリ・ファンがそれほど辛抱強くないことは知っているし、僕自身も決して気が長い方ではない。僕らは勝つためにここにいるのであって、それを実現するまでは満足できないけど、一歩ずつ進歩しているのは確かで、いつかはそれが結果につながると思う。僕はこのチームを信頼している。そして、これから状況は良くなっていくと信じている。

(グリッド最後方からソフトタイヤでスタートし、ウルトラソフトを2セット使うという戦略について語り)セーフティカーが(スタート直後しか)入らなかったことを考えると、もっといいやり方があったかもしれない。でも僕の走った戦略はとてもよかったと思う。この戦略のおかげで選択肢をオープンに保つことができたし、トップ集団に近づくことができたんだから。

 もちろん、セーフティカーが出てくれることを期待していた。そうすればトップ集団にもっと迫って、何かできたかもしれない。僕にはタイヤという武器があった。昨日使わなかったフレッシュタイヤがたっぷりあったんだ。でもセーフティカーは出なかった。ちょっと意外だったね。

■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=6位
 ひどいスタートだったよ。モンツァの時ほどではないにせよ、決していいとは言えなかった。残念だね。激しくホイールスピンをさせてしまった上に、(ニコ・)ヒュルケンベルグがスピンしながら目の前を横切ったので、一瞬ブレーキを踏まざるをえず、さらに出遅れることになったんだ。

 その後は自分より遅いクルマの背後から抜け出せず、そうこうしているうちに、ほんの3、4周でタイヤが完全にダメになってしまった。

 かなり激しいバトルも何度かあって、それはそれで楽しかったけど、とにかくここではオーバーテイクが難しいから、なかなか抜け出せなかった。

 ダニール(・クビアト)とは、ずいぶん激しくやりあったね。でも、一度も接触がなかったのはいいことだ。 
  
 オーバーテイクは好きなんだけど、本来いるべきポジションを争っているわけではないから、あまり楽しくはなかったよ。マレーシアでは、もっといいレースができるようにしたい。まずは、望ましい形でスタートができるようにすることが重要で、そこに努力を集中する必要がある。

(トロロッソはクビアトに譲るよう指示するべきだったと思うかと、Crash.netに聞かれ)それは命令すべきことじゃないと思う。僕が自力で抜かなければならないんだ。それに楽しかったよ。争うポジションが残念だったけどね。


■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝=7位
 7位は今日の僕らに可能な最大限の結果だった。メルセデス2台、レッドブル2台、フェラーリ2台の後、つまり「その他のグループのトップ」の位置だ。今週末、僕らは速さで4番手に位置するチームとはいえなかったかもしれないが、いい戦略といいスタートでこの結果を持ち帰ることができた。

 スタートのことを話すと、僕はアウト側に行くことを選んだ。だからクラッシュの影響を受けずに済んだんだ。その時点ですでに6位に上がっていた。1コーナーに向けてブレーキングをものすごく遅らせて、ダニール(・クビアト)を抜き、キミ(・ライコネン)も抜けそうだった。すべてうまくいったよ。レースでは時に幸運の助けが必要だ。
  
 一時は表彰台フィニッシュを期待した。前で何かが起こればそうなる可能性もあると思ったんだ。でも実際には上位勢には何も起きなかった。

 スタートがすごくうまく決まって、1コーナーの時点で5番手だった。シンガポールでは他では起こらないようなことが起きることがあるから、一時は表彰台のことも考えたんだけどね。
  
 それでも全体的に見て、僕らは精いっぱいの仕事をしたと思う。

■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=8位
 今夜のパフォーマンスには、とても満足している。間違いなく、僕のキャリアのベストレースのひとつに数えられると思うよ。この暑さの中、1セットのソフトタイヤで36周も走り、クビアトのプレッシャーに耐えてポジションを守れたことは大きな成果だ。

 1周目にタイヤ交換のピットストップをした結果、僕は(エステバン・)グティエレスの後方を走ることになり、これが僕らの戦略に大きな影響を及ぼした。彼の背後では本来のペースで走れなかったし、タイヤにとっても条件が厳しくなった。特に僕らは、実質的に1ストップのレースを考えていたからね。僕がポイントを獲得するには、ライバルよりもピットストップを1回少なくするしかないと考えていたので、タイヤのマネジメントが決定的に重要だったんだ。

 最後のストップを終えた後のフェルナンド(・アロンソ)と争っても意味はなかった。彼とは戦略が違っていたし、僕はスティントの序盤でタイヤをダメにしてしまうわけには行かなかったからだ。マックス(・フェルスタッペン)についても、事情は同じだった。

 今日みたいな日には、戦略がうまく機能するように、戦う相手を選びながら頭を使ってレースをする必要があった。これはチームにとっても良い結果であり、僕らはまた選手権4番手に浮上した。ニコのレースがあっという間に終わってしまったのは残念だけど、この難しいナイトレースでポイントを獲得できて良かった。


■スクーデリア・トロロッソ
ダニール・クビアト 決勝=9位
 今日はできる限りのことをやれたと思う。とても楽しかったし、すばらしいバトルをエンジョイしたよ。ただ、最初のスティントは良かったものの、残念なことに、その後は予想どおりには行かなかった。ペレスの背後に抑え込まれ、ストレートスピードが足りなくて彼をオーバーテイクできなかったんだ。本当にギリギリのところまでプッシュしたんだけど、どうすることもできず、悔しくて仕方がなかった。

 でも、またポイント圏内でフィニッシュできたことに満足している。そして、このところ厳しいレースが続いてきた中で、チームがとても良い仕事をしてくれた。

■ルノー・スポール・フォーミュラ1チーム
ケビン・マグヌッセン 決勝=10位
 この結果はチーム全体の後押しとなるはずだから、すごくうれしい。ここまで厳しいシーズンを送るなかで、何とかポイントを取りたいと毎戦思っている。それがようやくかなった。

 でもこれからも戦い続けるよ。僕らがなぜ戦うのか、なぜ諦めないのか、今日のような結果からそれが分かる。

 戦略、スタート、そしてマシンバランスがものをいった。ここまでのレースをして勝てないなんて不思議。だって完璧だと感じたんだ。