2016年F1シンガポールGP決勝で、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンはリタイアに終わった。
バトンは、スタート直後のアクシデントでスピンしたニコ・ヒュルケンベルグは避けたものの、バルテリ・ボッタスのウイリアムズにフロントウイングが当たり、修理のため緊急ピットインが必要になる。コースに復帰した後も、ボディワークのダメージによりダウンフォースが低下。1周目のアクシデントでブレーキダクトに損傷を負ったことで、レース終盤にはブレーキの温度に懸念が生じ、チームは予防的措置でリタイアさせることを決めた。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
ジェンソン・バトン 決勝=リタイア
実際にリタイアしたのは43周目だけど、僕のレースは実質的には1周目に終わったようなものだった。
すごくいいスタートを切って、バルテリに並んだ。ニコのクルマがコースを横切ってくるのが見えたのは、彼がおかしな方向を向いて僕の目の前まで来た時だった。減速して右側に寄ったが、行き場がなく、フロントウイングがバルテリのマシンに当たってしまった。それで僕のマシンのフロントウイング、ブレーキダクト、フロアが壊れた。
ピットに入ってタイヤを交換し、新しいフロントウイングを装着したが、マシンにダメージがあったので、残りのレースをダウンフォースが不足したまま走らなければならなかった。さらにその時のダウンフォースがマシンにおいて適切なバランスをもたらしていなかったことで、より一層苦労した。
レースをやめたのは、ブレーキに懸念があったからだ。ダクトがダメージを負っていたために温度が上昇していた。トラブルが起こるのが心配だった。走るのをやめたのは正しい判断だった。
フェルナンド(・アロンソ)はすごくいい仕事をしたね。僕らのマシンに7位を獲得できる速さがあるとは思わない。だけど彼は今日いい仕事をし、同時に問題を抱えたドライバーが何人かいた。