今週末のカリフォルニア州ソノマ・レースウェイで最終戦を迎えるインディカー・シリーズ。チャンピオンはチーム・ペンスキーのサイモン・ペジナウとウィル・パワーのふたりに絞られている。
ここまで15戦を終えて、ポイントランキングは初タイトルを目指すペジナウが555ポイントでパワーを43ポイントリードしている。
ペジナウは、シーズン序盤で3連勝を含む5戦連続表彰台を獲得。第3戦からポイントランキングのトップを誰にも譲らず最終戦へと駒を進めた。
開幕戦でポールを獲得しながらクラッシュの影響で欠場してしまったパワー。デトロイト戦のレース2で今季初勝利を挙げると、コンスタントに表彰台を獲得しペジナウとの差を詰めてきた。
残り4戦となったポコノ戦でパワーは今季4勝目を挙げ、ペジナウはリタイア。両者のポイント差は、58ポイントから20ポイント差まで一気に縮まり、勢いに乗ったパワーがペジナウを逆転するかに思えた。
しかし、前戦ワトキンス・グレンでパワーはクラッシュを喫しリタイア。粘り強く走ったペジナウは7位に入り28ポイントを加算しパワーとの差を43ポイントと大きく広げることに成功した。
最終戦ソノマは、今年もポイントが通常の倍となるダブルポイント制度を採用しているため、43ポイント差はセーフティリードとは言えないだろう。
最終戦を前にペジナウとパワーは、サンフランシスコのエンバーカデロ通りをインディカー・マシンでパレードし、チャンピオン獲得への意気込みを語った。
「ワトキンス・グレンで僕たちが7位に入ることができたのは素晴らしいよ。ペンスキーにチャンピオンシップを持ってくることができたんだ。(チームオーナーの)ロジャーだけじゃなく組織全体にね」
「50年という歴史の中で、チャンピオンを持ってくることができるというのは偉大なことだ。このチャンピオンシップを勝ち獲る男になりたいよ。シーズンを通してポイントをリードしてきた。それを仕上げたい」
「アメリカに来たのは10年前の2006年。ここで起こることが大好きなんだ。インディカーをやってきて最高のチャンスだよ。一年中やってきたことを続けて、仕事を完了させたいね。何も変わらない。他のレースと同じさ。ディフェンシブにはならない。運命は自分の手の中にあるんだ」とペジナウ。初タイトルへ向けて集中力を高めている。
2014年以来のチャンピオン獲得を目指すパワーは、ここまでソノマでポールポジションを5回獲得し3勝を挙げている。得意サーキットでのレースを前にパワーは、「僕にとってはいいサーキットと言わないとね。長年ここでうまくやってきた。毎年変化があるよ。クルマは変わし、戦いは常に違っている」
「チャンピオンシップを獲得するという自分の宿題をやらないとね。サイモンが簡単な一日になっても、僕たちの最高のショットでレースを勝つことが必要であると考えている」
「シーズン序盤の数レースは苦しんでいたけど、ここでチャンピオンシップを勝つことができたら素晴らしい気持ちになるだろう。最初のチャンピオン獲得の時よりもね」とコメント。
2007年のチャンプカー時代もチームメイトだったふたり。果たして最終戦でチャンピオンシップを掴むのはどちらだろうか?