マクラーレンがシンガポールGPのフリー走行に向けて、新しいリヤウイングを準備している。新しいリヤウイングは、翼端板上部の水平のスリットの切れ込みが翼端板前端まで貫通しているというユニークな形状をしている。
このアイディアは、今シーズン当初からトロロッソが採用しているもので、シーズン途中からメルセデスAMGも採用。マクラーレンが3チーム目となる。
多くのチームが、レギュレーションが大きく変わる2017年に向けて、今シーズンの開発を早々に切り上げ、リソースを来年へ集中させている中、マクラーレンは「現在のマシンの開発の中にも、来年に役立つものがあるため、われわれは今シーズンのマシンの開発を最後まで止めるつもりはない」(某エンジニア)と語っているように、後半戦に突入しても、毎戦のように新しいパーツを投入している。
木曜日の時点で、この新しいリヤウイングが装着されていたのは、アロンソのマシンのみ。もし、金曜日になっても新しいリヤウイングがひとつしかなかったとしたら、その理由は製造が間に合わなかったほど、タイトなスケジュールで製作された可能性が考えられる。
ただし、マクラーレンはオーストリアGPにも斬新なリヤウイングを持ち込みながら、フリー走行で少し走らせただけで、実勢投入は見送っている。マクラーレンの関係者はその理由を「あれは開発の方向性を確認するためのコンセプトパーツだった」と言っており、今回もその可能性が考えられる。
フリー走行でのパフォーマンスと、走行後のドライバーのインプレッションに注目したい。