新たにF1のオーナーとなるリバティ・メディアは、アメリカでの第2のグランプリをカレンダーに加えるべきだと、ロマン・グロージャンが述べた。
アメリカでのレースを増やすことについては、バーニー・エクレストンも以前から熱心で、今年始めには2018年にラスベガスでグランプリ・レースを開催する案も検討された。だが、現状ではオースティンでのアメリカGPが、合衆国では唯一のF1レースとなっている。
アメリカを本拠とする、メディア、コミュニケーション、エンターテイメントの巨大企業リバティ・メディアは、60億ポンドを投じてF1の筆頭株主となるための買収手続きを始めており、この手続きは2017年初めに完了する予定だ。新たにF1の最高責任者となるチェイス・ケアリーは、同社が特にアメリカとアジアの市場において、成長の機会を開発したいと語っている。
今季からF1に参戦しているハースは、80年代半ばに存在した同名だが無関係の「ハース」以来、久々に登場したアメリカ国籍のグランプリチームだ。そのドライバーを務めるグロージャンによれば、アメリカでもうひとつのF1レースを開催すべき場所は、やはり西海岸だという。
「アメリカで第2のグランプリを開催するのは良いことだし、場所は西海岸がいいかもしれない。向こうではF1の最新情報が手に入りにくいんだ。グランプリレースの大半は、西海岸では真夜中のスタートになってしまうので、レースを生中継で見てもらうのも難しい」
グロージャンは、スチュワート・ハース・レーシングからNASCARのレースに出場することにも関心を示しており、F1がアメリカのスポーツから多くのことを学べると考えている。
「すごくクールだよ。アメリカの人々は、スポーツをショーとして盛り上げる方法を知っている。スーパーボウルとかNASCARとか、その手のビッグイベントを見ればわかるように、どれもすばらしいショーだ。観客にどう見せていくかという点で、F1には改善の余地があると思うよ」
また、メルセデスのドライバー、ニコ・ロズベルグも、アメリカからの影響はF1にとって有益だろうと見ているようだ。
「アメリカ人たちは、特にテクノロジーの領域では、いろいろな意味で進んでいることが多い。テレビに関しても、彼らは良い仕事をしているから、その面では期待できるかもしれない」
さらにロズベルグは、新たなファン層、特に若い世代の人々に訴求していくには、彼らにどのようにレースを見せるかについても新しいアプローチが必要だ、と付け加えた。
「どちらかと言えばF1が好きなのに、実際にはレースを見ていない若い人たちが大勢いる。彼らは決められた時刻にテレビの前にいることを好まなかったり、スタート時刻が何時なのか調べようとしなかったりする」
「若い人たちは、新しい時代を生きている。F1が改善していくべき領域はそこだと思う。つまり、このスポーツが好きであるにもかかわらず、レースを必ずしも生中継で見ようとはしない多くの人々に対して、どのように訴えていくかだ」