シンガポールGPの木曜ドライバー会見は、若手中心のメンバー。午後6時に行なわれるとはいえ、レース週末全体を6時間遅らせて生活しているドライバーたちにとっては実質的に“午後0時"で、普段より3時間も早いスケジュールで開催された。
もちろん、重役出勤のベテランドライバーたちに配慮してこの人選というわけではないのでしょうが……。
会見が始まる前から前列中央のダニエル・リカルドと隣のセルジオ・ペレスが何やら雑談してニコニコ。おしゃべりな2人は何かと波長が合うようです。
司会者から「今週末は優勝候補ですよね」と振られたリカルドは、「そうだね、チャンスは充分にありそうだ。トップ10に入るくらいはね! トップ10って言っておいた方が安全でしょ?」とお得意の笑顔でノラリクラリ。ハッキリと「優勝できる」と言わないのは、チームへのプレッシャーを考えてのことのようです。
「たしかに勝利にかなり近い位置にいるとは思うけど、僕自身にもチームにもプレッシャーはかけたくない。もちろん勝ちたいし、僕らにはその力があると思う。だけど、ひとまずトップ10って言っておいた方が賭け金は失わないですむでしょ?(笑)」
ドイツGPからやり始めたシューズでシャンパンを飲む“シューイー"について聞かれる一幕も。
「始めたのは僕じゃなくて、『The Mad Hueys』っていう人たちがサーフィンやフィッシングをしながら世界中を旅しているんだけど、彼らがビールを飲むときにクツで飲み始めたんだ。それを(オーストラリア人バイクレーサーの)ジャック・ミラーが勝ったときにやったから、僕もオーストラリアの伝統を受け継がなきゃって思ったんだ」
ここで、隣で聞いていたバルテリ・ボッタスが「どんな味なの?」と誰もが気になっていたことを直撃。
「スパークリングワイン(表彰台で使われるシャンドンは正式にはシャンパンではなくスパークリングワイン)が冷えていたら、美味しいよ(笑)。表彰台に用意されているのは冷えているから、その冷たさが(クツの)悪いものを消してくれて美味しいんだろうね! ってことにしといてよ!」
予想は「トップ10」とかなり控え目に言ったリカルドでしたが、「日曜日に勝ったらやる?」と聞かれると……?
「勝ったらやるよ! 2位や3位ではもうやらないだろうね。勝ったらやるし、誰か一緒にやってくれると期待しているよ!」
果たしてリカルドは再び“シューイー"を見せてくれるのでしょうか? そして、一緒にやるドライバーはいるのでしょうか?
シンガポールGP優勝候補の最右翼だけに、木曜会見の主役はしっかりとかっさらっていったリカルドだったのでした。