2017/18のシーズン4からフォーミュラE選手権にワークス参戦することを発表したアウディは、この決断によって「WEC世界スポーツカー耐久選手権プログラムに影響が及ぶことはない」とコメントした。
今月上旬に、現在のチーム・アプトとシェフラーによるチーム運営への関与を深め、来季からフルワークス・プログラムとしてフォーミュラEに参戦すると発表したアウディ。そのモータースポーツ活動を統括するアウディスポーツ代表のヴォルフガング・ウルリッヒは、この決定は「WECのLMP1部門継続に関する意思決定プロセスには、一切影響を与えない」と強調した。
「フォーミュラEに関するプランは、今のところ追加プログラムであるという認識だ。なぜなら、このふたつ(FEとWEC)は完全に異なるレベルの話だからだ」と、ウルリッヒ。
「私たちが来季に向けてどのようなプログラムに取り組むのかの決定は完全にセパレートされて考えられていて、今回のフォーミュラEのワークス参戦決定に関しても同様のプロセスを経ている」
ウルリッヒによれば、アウディが来季のモータースポーツ活動計画を策定する時期は、例年のタイムラインに従えば「今年の秋頃」になるという。
しかしアウディにとっての懸案材料は、WECで同じフォルクスワーゲン・グループ傘下で姉妹ブランドのポルシェと競争を繰り広げていること。そして、この状態が2018年の新LMP1規定発足前の来シーズンも継続するということだ。
「確かに我々のファクトリーではすでに2018年の新規定に向けたコンセプトワークが始まっている。しかしそれを継続するかどうかの意思決定はされておらず、注意しなければならない」
一方のポルシェ・ワークスは、昨年8月に3年間のレースプログラム延長を決定。2018年シーズンの終わりまで、WECのLMP1-Hで戦うことを決めている。
また、ドイツ系のマニュファクチャラーに戦いを挑むトヨタは2017年までのWEC参戦が確定しており、それ以降に関しても前向きな姿勢で臨んでいるようだ。
トヨタ・モータースポーツGmbHのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、トヨタのワークス活動に関して「終了予定日はない」と発言している。