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音楽×RPGで何が起きる? ワーナー新プロジェクト『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』制作発表レポ

2016年09月15日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』制作発表

 株式会社ワーナーミュージック・ジャパンが9月14日、“音楽×RPG ―音で紡ぐファンタジー作品―”をコンセプトとした新プロジェクト『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』の制作発表を行った。


 『ラファンドール国物語』は、これまで『テイルズ オブ』シリーズや『白猫プロジェクト』との企画「私立茶熊学園」など、アニメ/ゲーム分野の人気コンテンツとのコラボレーションを成功させてきた同社が満を持して送るオリジナルコンテンツだ。音楽でストーリーを紡ぎ、豪華声優陣が声を吹き込んだアニメーションと融合。“光と影”がモチーフになった壮大な物語が毎週、ウェブ上で公開される予定になっている。


 制作発表の冒頭、ワーナーミュージック・ジャパン代表取締役CFO兼COOの堀切英明氏が「今まで実施してきた他業界とのコラボレーションの集大成として、当社でもすばらしいオリジナルのIPを作り上げていきたいと思っております。ご期待ください」と語ると、同プロジェクトのプロデューサーを務めるグラウンディングラボ代表取締役・島津真太郎氏は「ストーリーパートと音楽パートで、新しい音楽エンターテインメントを作りたい。このプロジェクトが、音楽の枠を超えて大きく羽ばたけるように、育てていけたらと思っています」と、ゲーム化やアニメ化も視野に入れていることを明かした。


 本作の原作と音楽を手掛けるのは、シンガーソングテラーとしてこれまで多くのゲーム音楽やプロモーションに携わってきた矢内景子氏。「昔から大好きだったファンタジーやRPGの世界を、こうして自分の作品として発表できる日が来ることは夢のようです」と語り、ゲーム業界の重鎮たちからもアドバイスを受けた力作になったことを伝えた。毎週楽曲を発表するというハードな制作現場を支えるサウンドプロデューサー、年間200本ペースでCM音楽を制作してきた近谷直之氏も、細部に至るまでこだわり、キャラクターの言動やその背景と音楽の融合に注力していることを明かした。


 矢内氏の原作を元に、シナリオ・脚本を手掛けるのは、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『キングダムハーツ』シリーズなど、数々のビッグタイトルを手がけてきた野島一成氏だ。「矢内さんはいい意味でゲーム作りのセオリーを覆してくれた気がします」としており、百戦錬磨の氏にとっても、新たな試みとなったようだ。また、『ドラゴンクエスト』シリーズのプロデューサーとして知られるスクウェア・エニックスの市村龍太郎氏はこの日のためにコメントを寄せ、最初期からプロットの完成度の高さに感心し、本気のアドバイスを送ったことを明かした。


 後半には、主要キャストである日岡なつみ(トレスタ・マキュール役)、鈴木達央(ネブラエス・デュガン役)、福島亜美(シェルシュ役)の3氏が生アフレコを披露。「音楽が持つ力を私自身もすごく感じていたので、音楽でファンタジー作品を紡ぐというこのプロジェクトに、今からとてもドキドキワクワクしています」(日岡)、「各キャラクターに様々な背景があって、ぼくが演じるネブラエスもただのダークヒーローではなく、人間味のある一人の人間としての側面があり、そんなストーリーの深さにも注目してください」(鈴木)、「この作品が、音楽もストーリーもある作品ということで、音楽と物語が融合した新たなジャンルとして、みなさんにも楽しんでいただけたらいいなと思っています」(福島)と、それぞれに同作の魅力をアピールした。


 そして制作発表の終わりには、『ドラゴンクエスト』の生みの親である、ゲーム業界の重鎮・堀井雄二氏の動画メッセージが公開された。堀井氏は「ひとつの歌からシナリオがついて、声優さんがドラマをつけて、本当に素晴らしい世界が構築されていく過程を目の当たりにして、これはもうとんでもないなあと、ぼく自身感激しました」と、プロジェクトの今後に期待し、応援していると語っている。


 まずは、本編に先行して公開されているMV「約束」を視聴し、その世界観の一片に触れてみよう。音楽の新しい可能性を拓く『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』の展開に、期待が高まる。(文=橋川良寛)