インディカー・シリーズは2017年からシボレーとホンダによるエアロキットの開発を凍結し、18年から共通仕様のエアロキットを導入すると発表した。
インディカーのエアロキット構想は前CEOのランディ・バーナードがダラーラ製シャシーのDW12導入に合わせ提唱したもの。ところが、12年から14年まではエアロキットは登場せず、15年からシボレーとホンダが開発したものが導入された。
しかし、導入初年度はホンダのエアロキットがドラッグ大きく、シボレー製エアロキットを使用するチームに対し苦戦を強いられてしまう。
これを受け、インディカーは16年に向けてエアロキットの改良を特別に認可。これにより今季はシボレーとホンダの戦力差は縮まったが、共通エアロキットとして“スタンダードキット”を導入するべきとの声も挙がっていた。
現行のエアロキットは来季も同じ仕様のまま使われ、新たなシャシーが導入される18年シーズンからは共通エアロキットに切り替えられる。
インディカー代表のジェイ・フライは、今回の決定は「コース上で行われるハイレベルな戦いを維持しながら、新たなエンジンマニファクチャラーを迎えられるようにするための措置」であるとしている。
「18年型シャシーの導入はインディカーにとって絶好のチャンス。すでに関係各社と協力して水面下でデザインを進めている」
「我々の目標は、この“ユニバーサルカー”を魅力的な外観にすると同時に、空力への依存度を下げ、メカニカルグリップを強化することだ。もちろん、最新の安全対策も導入する」
エアロキットに対しは、シリーズに参戦するアンドレッティ・オートスポーツのマイケル・アンドレッティ代表やシュミット・ピーターソン代表のサム・シュミットが、これまで総額で3000万ドル(約30億円)の費用がかかっていると指摘。この費用を新たなテレビ放映形態の制作やプロモーション活動に回すべきとしていた。