ルイス・ハミルトンは、シンガポールGPを迎えるにあたって、チームはすでに2015年のトラブルの再発を防ぐ対策を講じており、「ライバルに迫られるとは思っていない」と述べた。
昨年のマリーナベイ・サーキットでのレースで、メルセデス陣営は、ピレリのスーパーソフトタイヤをうまく機能させられずに苦戦した。ハミルトンと僚友ニコ・ロズベルグは、予選で最速だったセバスチャン・ベッテルのフェラーリに1.4秒以上の差をつけられ、2台のうち上位でレースをフィニッシュしたロズベルグでも、優勝者のベッテルから25秒近く遅れて、4位に入るのがやっとだったのだ。
今季ここまでのところ、メルセデスは少なくとも1台が完走したレースでは、一度も優勝を逃していない。にもかかわらず、ロズベルグは昨年の苦い経験から、メルセデス陣営はレッドブルやフェラーリに勝てるという自信を持ってシンガポールへ向かうことができないと予想している。
これに対し、チームメイトのハミルトンは、昨年、何が問題だったかは解明されており、これまでの好調を維持してシンガポールでのレースに臨めるはずだと述べた。
「昨年のような事態を防ぐために、セットアップ面で何をすべきかは分かっている。だから、昨年よりは良い位置にいられると思うよ」
「もちろん、どのレースでも思わぬ理由で負けることはあるし、実際に走り出すまでは、ライバルのペースがどのくらいなのか、本当のところは分からない。昨年は彼ら(レッドブルとフェラーリ)に大きな差をつけられたが、その理由はすでに解明されている。今年はもっといいポジションで戦えるはずだ」
「とはいえ、未来のことは誰にも分からない。今回は彼らとのギャップが狭まることだってありうる。僕としては、彼らに迫られるとは思っていないけど、昨年だってあんなことになるとは予想できなかった。とにかく、全力を尽くして準備をしていくだけだ」
今週末、ピレリは従来からのスーパーソフト、ソフトに加えて、新しいウルトラソフトコンパウンドをシンガポールへ持ち込む。
今季、メルセデスは何度かタイヤをうまく使えずに苦しんでおり、ウルトラソフトが初めて使われた5月のモナコではポールポジションを逃し、先月スパで行われたベルギーGPでも、予想外の暑さに見舞われた予選で、スーパーソフトを使いこなすのに苦労した。
それでもなお、メルセデス陣営は今季ここまでの14戦のうち、優勝できなかったレースとポールを獲れなかったレースは、それぞれ1回ずつしかない。唯一優勝を逸したスペインでは、オープニングラップの先陣争いの中でメルセデス勢が同士討ちを演じ、2台ともリタイアを喫している。