先日、アメリカを中心にグローバルで企業活動を行う巨大グループ、リバティメディアによるF1買収が発表されたが、F1と同じFIA格式であり電動シングルシーター選手権として運営されるフォーミュラEのボス、アレハンドロ・アガグによれば、買収に関する一連の動きは「フォーミュラEにとってもプラスであり、ポジティブなこと」であると話す。
アメリカのケーブルTV界の大御所であるジョン・マローン氏が率いるリバティメディア・グループは、傘下にリバティ・グローバル、ディスカバリー・コミュニケーションズなどを保有する一大メディア帝国として知られる。そのリバティは、現在フォーミュラEの筆頭株主という立場でもある。
「これはいいことづくめで、ポジティブな要素しかない。なぜなら、我々も(F1やリバティと)同じファミリーの一員であるからだ」と、アガグ。
記者団に「リバティ・グループのフォーミュラEへの関与低下の可能性は考えられるか?」と尋ねられたアガグは、次のように答えた。
「それはありえない。我々とリバティ・グローバルはこれまでともに働いており、今後はF1もリバティメディアの手に委ねられることとなった。だから我々は家族の一員だと言える」
同時に、F1の商業面を統括するFOA(Formula One Administration)の新会長に就任する元21世紀FOXの副会長チェイス・キャリー氏についても、「(氏の就任は)モータースポーツ全体にとって有益だろう」と付け加える。
「私はチェイスを古くから知っているし、彼のような人物の関与はモータースポーツにとって“豪華”な話でもある」
イギリスに拠点を置くリバティ・グローバルは、傘下のヴァージン・メディア、ディスカバリー・コミュニケーションズ、そしてユーロスポーツTVとともに、フォーミュラEがキャッシュフローの問題に直面していた2015年3月にフォーミュラEホールディングスの主要株式を取得し、選手権への参画を果たしている。
日本ではテレビ朝日系列がフォーミュラEの放映権を保持しており、引き続きシーズン3も放送を行う予定だというが、イギリスでは昨季までのITVに変わり、チャンネル5が無料放送とソーシャルchを含めた包括的な放送体制での権利獲得を決めている。