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TOYOTA GAZOO Racing NASCARリッチモンド レースレポート

2016年09月13日 16:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)
2016年9月13日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部

NASCARスプリント・カップ・シリーズ第26戦リッチモンド
デニー・ハムリンが地元でポール・トゥ・ウィン
トヨタは週末のリッチモンド完全制覇

“チェイス”前のレギュラーシーズン最終戦となったスプリント・カップ・シリーズはリッチモンドのショートオーバルで行われ、“トヨタ・カムリ”勢がレースの大半を支配。地元デニー・ハムリンがポール・トゥ・ウィンで今季3勝目を挙げた。エクスフィニティ・シリーズではカイル・ブッシュが独走で今季8勝目と、トヨタが週末のリッチモンドを制覇した。


NASCAR SPRINT CUP SERIES
第26戦 Federated Auto Parts 400
開催日:9月10日

デニー・ハムリンが地元でポール・トゥ・ウィン
トヨタ勢は5人が“チェイス”へ

 9月10日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第26戦「Federated Auto Parts 400」が開催された。

 年に2戦シリーズ戦が行われるリッチモンドをトヨタは比較的得意としており、これまでに9勝。うちカイル・ブッシュが現役最多となる4勝、地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが2勝を挙げている。また、昨年の秋大会はマット・ケンゼス、今年春の大会ではカール・エドワーズが勝利を飾っている。

 年間36戦という長いシーズンのスプリント・カップ・シリーズは、終盤の10戦、上位ドライバーがポイントをリセットしてタイトルを争う“チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ”と呼ばれるプレーオフ戦に入る。今大会はこの“チェイス”前のレギュラーシーズン最終戦。

 トヨタ勢は、既に過去最多タイとなる5人が“チェイス”入りを決め、今季合計12勝と強さをみせているが、後半戦に入ってライバルの巻き返しも激しく、“チェイス”を前に勢いに乗るためにも重要な1戦となった。

 10日(土)午後7時47分に1周0.75マイルショートオーバルを400周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。今季初のポールポジションを獲得したハムリンが序盤をリードした。

 52周目、前戦ダーリントンで今季2勝目を挙げ勢いに乗るマーティン・トゥルーエクス・Jr.がハムリンをかわし首位に浮上。ケンゼス、ハムリン、カイル・ブッシュと続き、“トヨタ・カムリ”勢が上位を占めての前半戦となった。

 中盤もトゥルーエクス・Jr.が支配。しかし、トゥルーエクス・Jr.は264周目のピット時に痛恨のピットロードスピード違反を取られ、首位と同一周回最後尾へと後退を余儀なくされてしまった。

 この日はイエローコーションが多発する波乱のレースとなり、ピット戦略も大きく分かれた。一旦はポジションを落としたトゥルーエクス・Jr.だったが、徐々に順位を上げていくと、291周目に出されたイエローコーション時、多くの上位勢がピットインするなかコース上に残り上位に復帰。304周目には首位に返り咲いた。

 終盤はハムリンとトゥルーエクス・Jr.の首位争いに。レースは残り2周でコース記録となる16回目のイエローコーションが出され、延長、最後の2周で競われる“オーバータイム”に。ここでハムリンとトゥルーエクス・Jr.はコース上に残り、逆転を目指すカイル・ブッシュらはピットへ。

 ハムリンとトゥルーエクス・Jr.が最前列に並んでの“オーバータイム”再スタートはハムリンが決め、そのままトップチェッカー。地元のコースで、今季3勝目を挙げた。トヨタは今季レギュラーシーズンの半分に当たる13勝目を挙げた。

 トゥルーエクス・Jr.は最後1台にかわされたものの最多の197周で首位を走り3位フィニッシュ。逆転を狙って11番手から再スタートを切ったカイル・ブッシュは9位でチェッカーを受けた。

 いよいよ“チェイス”が始まる次戦第27戦は9月18日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー:デニー・ハムリン
「素晴らしいレースだった。クルーチーフとチームが最高の“トヨタ・カムリ”を用意してくれた。後半、調整が効を奏して良い再スタートを切ることができ、勝つことができた」

「最後はピットインするものだと思っていたが、せずに正解だった。地元で勝つというのは特別だ。この調子でチェイスも戦って行きたい」

<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出する。

“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントをリセットされる。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。

 今季もカイル・ブッシュ、ハムリン、エドワーズ、ケンゼス、トゥルーエクス・Jr.の5名が“チェイス”進出を果たした。

 次戦は“チャレンジャー・ラウンド”の初戦。まず16名が2000点にリセット。これに勝利数×3ポイントのボーナスが加えられる。このラウンドの3戦で勝利するか、3戦終了時に上位12名にいれば次ラウンドに進む。

■RECAP: Hamlin wins as Chase field is set at Richmond


NASCAR XFINITY SERIES
第25戦 Virginia529 College Savings 250
開催日:9月9日

カイル・ブッシュがレースを支配し今季8勝目
“トヨタ・カムリ”ワン・ツーフィニッシュ

 9月9日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第25戦「Virginia529 College Savings 250」がリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催された。

 年2戦行われているリッチモンドではトヨタは過去7勝。うち3勝をカイル・ブッシュが挙げている。

 9日(金)午後7時45分に1周0.75マイルショートオーバルを250周(187.5マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタート。

 予選で7番手と出遅れたカイル・ブッシュはじりじりと順位を上げていき、25周目過ぎにはトップ5入り。49周目にスピン車両によるこの日最初のコーションが出されると全車ピットへ向かい、ここで素晴らしいピット作業に助けられたカイル・ブッシュが首位に立った。

 カイル・ブッシュはピットでのセッティング変更も奏効し、その後は独走態勢に。チームメイトのエリック・ジョーンズが2位へと浮上、ダニエル・サレスもトップ5へと上がってきた。

 この日はイエローコーションの少ないままレースが推移。独走のカイル・ブッシュは後続を大きく引き離し、ショートオーバルという事もあり、次々に周回遅れを増やしていった。

 この日2度目のコーションが出された164周目の時点で、カイル・ブッシュは2位のエリック・ジョーンズに7秒以上の大差をつけ、首位と同一周回車両は僅か8台となっていた。

 コーションからの再スタートは3ワイド、4ワイドの混乱があったものの、得意の再スタートでこれを制したカイル・ブッシュは再び独走。2位のエリック・ジョーンズに6.5秒もの大差でトップチェッカー。全250周のうち197周で首位を独走する速さで圧勝。今季14戦目のシリーズ参戦で8勝目を挙げた。

 また、カイル・ブッシュは自身の持つシリーズの最多記録を84へと伸ばすこととなった。

 エリック・ジョーンズは2位で続き“トヨタ・カムリ”が1-2フィニッシュを果たした。

 次戦第26戦は9月17日(土)、シカゴランド・スピードウェイで行われる。

ドライバー:カイル・ブッシュ
「ここまでの圧勝は予想していなかった。チームの信じられないほど素晴らしいピットストップのおかげだ。練習走行からあまり上手く行かず、予選でも7番手止まりと、あまり決勝に期待は持てなかった」

「決勝スタートでもオーバーステア症状が酷く、何とか4位に上がるのが精一杯だった。しかし、クルーが素晴らしいピットストップで首位に上げてくれると共に、クルーチーフのセッティング変更も効を奏した。後はただ走り続けるだけだった」

■RECAP: 'Rowdy' rolls in Richmond