今季の世界ラリークロス選手権でタイトル争いを繰り広げるマティアス・エクストローム(中央)とペター・ソルベルグ(右) DTMドイツ・ツーリングカー選手権でアウディ・ワークスに所属し、2度のタイトル獲得経験も持つベテラン、マティアス・エクストロームは、今季の最終戦となる10月14日~16日開催のホッケンハイム・ラウンドを欠場し、FIA World RX世界ラリークロス選手権のドライバーズタイトル獲得に全力を挙げる方針を明らかにした。
今季、双方の選手権にフルエントリーしているスウェーデン出身のエクストロームは、5月のDTM開幕戦では併催イベントとなっていたWorld RX第2戦にも“重複義務”を果たすべく強行出場。見事、ラリークロスでの勝利を挙げ、日曜のDTMでは4位入賞というリザルトを残していた。
現時点で残るラリークロス・イベントは4戦。エクストロームはチャンピオンシップ争いでは首位のペター・ソルベルグに5ポイント差のランキング2番手に付けている。一方のDTMでは、今季アクシデント多発のアウディ勢にあって気を吐きつつも、総獲得ポイント82点の7番手となっている。
そのDTM最終戦が開催される週末は、ホッケンハイムから600km離れたドイツ・ブクステフーデにあるエステリンクでWorld RX第11戦が開催される予定となっており、同じドイツ国内でありながら開幕戦のような強行出場は不可能な情勢だ。
ここからはラリークロスとDTMのイベントが毎週交互に開催されるスケジュールとなるが、今週末の16日から開催されるWorld RX第9戦のバルセロナの結果も、今後の判断材料にできるはずだとエクストローム。
「とにかく今はバルセロナで良い週末を過ごせるように頑張るだけだ。結果が出た後で(最終戦のイベントバッティングについて)アウディのボスと相談してみるよ」
「ラリークロスでは非常に大きなチャンスを手にしているし、バルセロナを本当に楽しみにしている。そこはシリーズのなかでもロエアック(フランス)や(地元スウェーデンの)ヘリェスと並んで、トップ3の盛り上がりを見せるイベントだし、シーズンのハイライトになると思う」
また先週末のDTMニュルブルクリンク戦レース1でメルセデスのマキシミリアン・ゴッツにヒットされ、わずか7周でレースを終えたエクストロームは、ゴッツに対し名指しで「まるでドライビング・スタンダードを理解していないドライバーだ」と嘆いた。
「本当にうんざりだ。シンプルに言って、もうこの男の後ろからスタートするべきじゃないね!」と、エクストローム。
「ヤツはレースでどのようにドライブしたらいいかをまるで理解していない。そう、たまには速く走れることもあるだろうし、たまにはゴールラインにたどり着けることもあるだろう。でも、単純にあいつのドライビングは好きじゃない」
「DTMでは誰もが速く走ろうと努力している。それは疑いようがない」
「でも、レースではどうやってドライブしなきゃいけないか、どのように模範を示し、意思疎通をしなくてはならないか。そういう才能は誰にでも備わってるわけじゃないんだ」