嵯峨選手と中山選手の駆る「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、スポーツランドSUGOで行われた第4戦で予選2番手を獲得。決勝では、終盤の激しいオーバーテイクショーによって逆転でトップに立ち、その結果、新型プリウスでの初優勝を飾ることとなった。その一方で、前後の3レースでは不運が重なり、完走を果たすだけの展開となってしまってもいた。
公式練習 8月27日(土)9:20~11:55 公式練習が始まる直前に雨が降り、WET宣言も出されたものの、一瞬でやんで結局、全車がドライタイヤで走行開始となった。今回も最初に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」をドライブしたのは中山選手。まずピットイン~アウトを行って、チェックを行った後、2周計測を行い2分1秒990をマークしてピットに戻る。しかし、その後が続かない。ブレーキにトラブルが発生し、修復を強いられていたからだ。ようやくピットを離れたのは、間も無く計測開始から1時間を過ぎようという頃。
なんと、シケインで痛恨のオーバーラン。直前の130Rで縁石をまたいだ際にブレーキのピストンが開いてしまい、察知した嵯峨選手は対策を講じていたものの、十分ではなかったようだ。止む無く、次の周をクールダウンに充て再度アタックをかけるも、すでにアタックを終了したスローカーが随所にいて満足にクリアラップが取れなかったばかりか、タイヤはすでにグリップのピークを過ぎていた為、1分59秒638を出すに留まったが、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は11番手で難なくQ1をクリア。Q2に控える中山選手に無事バトンを託すこととなった。
公式予選Q2 15:15~15:27 Q1終了後、嵯峨選手からのインフォメーションを受けて「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はセットを変更。これが功を奏することとなる。中山選手もまた2周のウォームアップを経て、アタックを開始。その時すでにトップは1分57秒台に突入、ハードルがグッと上がる中、中山選手はそれにはあと一歩及ばずも、1分58秒092をマークして2番手に浮上する。そして、その直後にチェッカーが振られ「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は2番手、フロントローから決勝レースのスタートを切ることとなった。
決勝日・ウォームアップ走行 8月28日(日)11:08~11:28 日曜日は天候が一転して、朝からあいにくの雨模様。しかし、今回は早朝にフリー走行が行われず、代わりにスタート進行の開始と同時に行われる、ウォームアップ走行が8分間から20分間に延長されていた。すでに雨は上がっていたものの、路面はしっかりまだ濡れたままだったため、ウェットタイヤを装着して「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は中山選手のドライブでコースイン。計測2周目には2分10秒768をマークして3番手につけることになった。中山選手は3周の計測の後、ピットに戻って嵯峨選手にバトンタッチ。1周のみの計測だったものの、無事最終チェックを完了することとなった。
決勝レース(173周) 12:30~ 夏休み最後の週末を楽しもうと、詰めかけた大観衆が見守る中で、グリッド上では各チームが頭を抱えていた。すでに雨は完全に上がっており、路面は回復傾向にあったから、タイヤをどうするか。ただ、日曜日の天気は極めて不安定で、すでに青空が見えていたが、いつ崩れてもおかしくはなかった。スタートから間もなく降ってくる可能性がないわけでもないことから、ほぼ全車がドライタイヤに改める中、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は頑なにウェットタイヤを貫いた。
幸い「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は燃費に優れるため、今回は5回のドライバー交代を伴うピットストップが義務づけられていたが、4回+ショートでも十分走りきれる計算だった。ほぼ最後尾まで後退したものの、視界が開けた状態でトップグループに遜色ないタイムで、周回を重ねていくこととなる。そればかりか、他とは明らかに異なるタイミングでドライバー交代を行えたことで、ピットでの混乱も避けられるように。
2番手にまで浮上した36周目に再び嵯峨選手が乗り込み、68周目からは再び中山選手が。ドライバー交代のたびに順位は落とすが、徐々にトップとのギャップは縮まっていく。そして3時間を間もなく迎えようという頃、2コーナーでクラッシュした車両を回収するため、83周目から4周にわたってセーフティカーランが。この時、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は8番手につけており、トップと同一周回で走っていたのは後続の1台のみ。つまり、優勝の権利を持つのは、事実上9台に絞られ、しっかりその中に加わったのである。
この時点で2番手との差は約8秒、これが一時は少しずつ広がっていたが、ゴールまであと6周となったところで、突然今までにはなく強い雨が降ってくる。すると中山選手が2番手とのギャップを秒単位で上回るようになり、どんどん差が詰まって行く!159周目には真後ろまで追い付き。そして1コーナーで並んでS字でパス。土壇場の大逆転を果たすこととなり、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は2位でゴールすることとなった。