スーパーGTシリーズ第6戦が、伝統の一戦「INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」として、夏休み最後の週末に鈴鹿サーキットで開催された。「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」をドライブする、永井宏明選手と佐々木孝太選手はともに三重県出身。つまり鈴鹿サーキットは生粋のホームコースとあって、今回のレースにかける思いは、他のどのサーキットでのレース以上に強い。ここまでのレースすべてを完走し、第2戦では9位入賞を果たしているだけに、より好結果を目指していたのは言うまでもない。
最初の走行となる公式練習は、永井選手からのスタートとなった。しかし、事前に組んできたメニューは早々に崩れることとなる。コースオープンと同時にピットを離れていった「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は、すぐにピットに戻ってくる。チェックだけ行い、再びコースインするはずが、なかなかピットを離れることができない。トラブル発生、オイルリークがあったためだ。修復には長い時間を要し、ようやくエンジンに再び火が入ったのは、スタートからほぼ1時間を経過した頃。
公式予選 Q1 14:30~14:45 公式練習は早朝に行われてなお、十分に暑かったが、日が完全に登った頃に行われた公式予選が始まる頃にはより一層暑く、気温は33度、そして路面温度は44度にまで高まっていた。今回もQ1を担当するのは佐々木選手。コンディションの向上を期待し、すぐには「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を開始と同時に走らせるのではなく、一呼吸置いてからに。
決勝日・ウォームアップ走行 8月28日(日)11:08~11:28 灼熱の戦いを覚悟した決勝レースだったが、日曜日は早朝からあいにくの雨模様。一転して、雨の中でのレースを覚悟することになった。今回はスケジュールの関係で、午前のフリー走行が行われず、代わりにスタート進行の開始と同時に行われる8分間のウォームアップが、20分間に延長されることとなった。その頃、すでに雨は止んでいたが、路面はまだ濡れたまま。全車がウェットタイヤで走る中、最初に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」のステアリングを握った佐々木選手は2周の計測ラップを走り、2分15秒262を記すこととなった。
決勝レース(173周)12:30~ 今回のスタート担当は佐々木選手。それは早々に決まったものの、問題はタイヤだ。すでに雨は止んでいて、路面も徐々に乾きつつあったからである。やがて、すっかり乾いてしまうのは間違いないものの、どこまでという思いと、この不安定な天候の中、また雨が降ってきてもおかしくないという思いが、それぞれのチームに交錯する。だが結局、ほぼ全車がドライタイヤを選択、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」もその中に。
27周目から56周目は永井選手が難なく走行した様に見えたが、実はエアコンが不調となり、更にはドリンクシステムまでもトラブルが発生し酷い脱水状態。それでも、地元開催でなんとかポイント獲得のために永井選手はプッシュし続け再び佐々木選手に交代。第3スティントではアクシデントも発生する。レースのほぼ折り返しの頃、2コーナーでクラッシュがあり、車両回収のためセーフティカーランが83周目から行われるが絶妙のタイミングで「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」はSCラン前にピットインし永井選手に交代。ポイント獲得も見えてきた。ところがまたもドリンクシステムが動いていなく、SCランが4周で済み、ピットレーンオープンと同時にその修復に余分なピットインを行い再びコースへと送り出した。
このSCチャンスをドリンクシステムによって台無しとなった。ポイント獲得が厳しくなったことからこの後は、淡々と周回を重ねていくしかなかった「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」。そんな状況においても、永井選手がドライビングに様々なことをトライ出来ていたのは、少なからぬ収穫といえよう。そして、109周目からは佐々木選手が自身の最終スティントを担当することに。
わずか2周の走行だったものの、永井選手はチェッカーを受けて24位に。122周で規定周回もクリアし完走ポイントは獲得した。最後まで苦しかった「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」にとっての鈴鹿1000kmではあったが、気持ちはもう次のタイ、チャーンサーキットでの第7戦に移された。絶対にリベンジを果たしてみせると!