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SF岡山:国本雄資が悲願のシリーズ初優勝。6戦で6人目のウイナー誕生

2016年09月11日 17:21  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第5戦岡山のレース2を制した国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦岡山・レース2は、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が悲願のスーパーフォーミュラ、シリーズ戦初優勝を飾った。

 日曜日は午前中に2セッションのノックアウト方式予選、午後に51周・タイヤ交換義務付けの決勝レースが行われた。

 予選では、昨日ポールポジションの中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)と僚友アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)のトムス勢がQ1で脱落。Q2では小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)が、セッション中盤でアトウッドカーブでコースアウト、赤旗中断となるなど、前日同様に波乱含みの争いとなった。

 そんななかで、レース1を制したストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のチームメイト、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が最終ラップに大きく自己ベストタイムを更新し今季初ポールポジションを獲得。2番手には昨年岡山で優勝した石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が入り、3番手にはバンドーンとなった。

 ただし、バンドーンはQ2のセッション再開時にブレーキ冷却用のファンを着けたままピットを後にしてしまったため、『安全確認違反』のペナルティを受け3グリッド降格。これで3番グリッドにはジェームス・ロシター(KONDO RACING)がつける。

 前日にも増して厳しい暑さに包まれた岡山。1列目の野尻と石浦が順当なスタートを決めた一方で、3番手のロシターがスタートミス。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の先行を許し、野尻、石浦、オリベイラのトップ3で1コーナーを通過していく。

 そして、1周目を終えた時点で国本、一貴、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、山本尚貴(TEAM 無限)、伊沢拓也(REAL RACING)、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がタイヤ交換義務を消化。それぞれ順当にコースへと復帰するが、そのなかで関口だけエンジンスタートに手間取りタイムロス。順位を落とすことになった。

 レース前半でほとんどのドライバーがピット作業を済ませ、20周を終えた時点で残るはトップを行く野尻と石浦のみ。この2台が1分18秒台後半~19秒台で周回するのに対し、国本以降の面々は18秒台前半のタイムを重ねてギャップを詰めていく。

 21周目にトップの野尻がピットイン。チームはスムーズなタイヤ交換作業をみせるものの、国本、一貴の先行を許すことになった。

 最後に残った石浦のピットタイミングに注目が集まったが、30周目にナレイン・カーティケヤン(SUNOCO Team LeMans)が2コーナーを立ち上がった先でスピン。コース上にマシンがストップしてしまう。

 このタイミングを逃さず、石浦はピットイン。時を同じくしてコース上にセーフティカーが導入される。最良のタイミングでピット作業を済ませた石浦はコースへ復帰。国本、一貴の後ろを走る野尻とほぼ並ぶ形でコースに戻った。

 国本、一貴、野尻、石浦の順で35周目にリスタートが切られると、野尻と石浦がテール・トゥー・ノーズのバトルを展開。これを尻目に前方の2台はギャップを広げていった。

 野尻と石浦が接近戦を繰り広げていると、野尻にセーフティカー中の追い越しによるドライビングスルーペナルティが出される。石浦がコースに復帰した瞬間、わずかに野尻の前に出ていたものの、1コーナーで野尻がオーバーテイクしてしまったことが原因だ。

 野尻は41周目にペナルティ消化のためピットイン。これで石浦が3番手にポジションアップする。2番手の一貴とは約5秒のギャップが開いていたが、野尻が後退したことでクリアラップを取れるようになった石浦が一気にペースアップ。1分17秒台を連発してみるみるうちに中嶋との差を1秒以内まで詰めた。

 そして残り5周、一貴と石浦による息をのむドッグファイトの連続で、最終ラップまで2位争いは白熱。しかし、野尻とのバトルでオーバーテイクシステム(OTS)を使いきっていた石浦に対し、最後までOTSを温存していた一貴が最終ラップで連続使用。石浦を突き放して2位フィニッシュを決めた。

 後方でのバトルを尻目に、国本は終盤まで安定したペースで周回。2013年の富士スプリントカップで優勝経験はあるものの、シリーズ戦で初のトップチェッカーを受けた。前日のレース1で2位に入り、ポイントランキングトップにつけていた国本は、今回の優勝でさらに5ポイントを追加。2番手の石浦に4.5ポイント差をつける形となった。

 スーパーフォーミュラ第6戦は9月24日~25日、スポーツランドSUGOで行われる。