フェリペ・マッサは、3年前にフェラーリがキミ・ライコネンを迎え入れ、チームを離脱することになった際にもF1からの引退を考えたと明かした。2002年にザウバーからF1デビューを果たし、ウイリアムズで3シーズンを過ごすマッサは、今季最終戦を最後に引退すると発表した。
マッサはフェラーリに在籍していた8年間で、11戦を制している。2008年にはタイトルまであと一歩に迫りながらも、1ポイント差で敗退。引退の決断について、マッサは以下のように語った。
「引退は3年前にも考えていた。難しい決断をする際には強さが必要だ。僕が今回そうだったようにね。自分の決断には満足しているし、ほっとしている。今年が、そのときだと感じたんだ」
2008年は、最終戦ブラジルGPのファイナルラップでタイトルをルイス・ハミルトンに奪われた。このシーズンで鍵となったのは、シンガポールGPとハンガリーGPだったと振り返る。シンガポールでは序盤でリードを築いたものの、燃料ホースが繋がったままピットを離れたことが原因となり、ノーポイントに。その4戦前のハンガリーGPでは残り3周の時点でエンジンにトラブルが発生し、やはり無得点に終わっている。
「1ポイント差でタイトルを逃したけれど、ポールポジションからレースを勝利したのだから、自分のベストは尽くした。僕だけが原因だったわけではなく、それ以前に起きた様々な出来事が原因となってのことだった。シンガポールは、僕にとってとても悲しいことがあった場所なので、あまり行きたくない」
「他のレースでも、あのときのハンガリーのようにエンジンに問題が発生したことがある。でもそれは、スポーツの一部だ。いろいろなことが起きて、シーズンの終わりには違う結果になっていた可能性もあるんだけど……。前にも言ったように、僕は自分のキャリアを本当に誇りに思っている。今の僕のように、こういうときには自分自身の気持ちと対話をしなければならない」