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「自分がアホなだけでした」。潔くミスを認める一貴、PPからまさかの最後尾グリッド

2016年09月10日 23:11  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第5戦のレース1決勝。午前中の予選でポールポジションを獲得したVANTELIN TEAM TOM'Sの中嶋一貴だったが、思わぬ形で勝利を取りこぼすことになってしまった。

 自身としては2014年の最終戦レース2以来となるポールポジションとなった一貴。フォーメーションラップを終えてグリッドにつこうとしたら、本来の1番グリッドを越えたところで停車。スタートディレイの原因を作ってしまい、最後尾からのスタートとなってしまった。

 そこから何とか挽回を目指したがスタート直後の混戦で接触があり、テールランプを破損。ガレージで修復作業を強いられることに。結局、誰もが一貴の今季初優勝確実と予想しながら、終わってみればトップから6周遅れの最下位でレース1を終えた。

「グリッドを行き過ぎちゃっただけです」と開口一番、苦笑いする一貴。その時の経緯について説明してくれた。

「いつもの通りの感覚で行って、スタートラインが目に入っていたので“そこら辺かな"と思いつつ行きました。最後のバーンアウトが終わってグリッドについたら、いつもとグリッドの形が違うなと感じて、そこで行き過ぎたと気づきました」

「ここはグリッドに番号がはっきりと書いてなくて、(オフィシャルが提示する)看板を見ていないと(グリッドの位置が)分からないといえば分からないんですよね。ちゃんと看板を見ていればよかったので、自分がアホなだけでした。チームには申し訳ないです」

 実は岡山国際サーキットは、スタートラインのほぼ真上にシグナルがあるため、他のサーキットと比べてスタートラインからポールポジションまでの距離が少し長いのが特徴。

 通常ならスタートラインのすぐ手前にポールポジショングリッドがあるため、いつもの感覚で行った結果、気がついたらグリッドに行き過ぎてしまったのだ。通常、サインガードでマーシャルが各ドライバーにグリッドの位置を知らせる看板を持っているのだが、それも一貴は見落としていたという。

 また、岡山サーキットではスタンディングスタート用のポールポジションのグリッド前には、スーパーGT用で使われるグリッドがいくつかあり、一貴が行き過ぎてついたグリッドはそのひとつ。イレギュラーとも言えるグリッドペイントが、間違えてしまった原因なのかもしれない。

 しかし、最後尾に回って以降はスタートもよく、レースペースにも手応えを感じていたという一貴。14周目にはファステストラップを記録している。

「(テールランプ破損については)スタート直後の混戦で当たった感じはなかったのですが、走っているうちに壊れていて、バランスがおかしくなってピットに報告したらオレンジボール旗が出たので、そのままピットで修復することになりました」

「今回はスタートも良かったし、ペースも良かったし、勝たなきゃいけないレースでしたね。クルマは予選も決勝も速かったので、それは明日に向けてポジティブに捉えていいかなと思います。明日はリベンジしないとまずいので。明日、また頑張ります」

 今回は残念な結果に終わってしまったが、明日のレース2はすべて仕切り直しで予選と決勝がまた行われる。土曜日のミスの償いを、一貴は日曜日にどんな走りで取り戻すのか。