平成28年熊本地震の影響により開催が中止されたオートポリス戦の代替レースとして実施される全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦岡山。代替戦ということもあり、今週末は2レースが行われ、これまでとは異なる新たなレースフォーマットが採用されている。
例年、鈴鹿サーキットで行われているシリーズ最終戦では日曜日に決勝を2度行う2レース制が採用されているが、今週末は土曜日、日曜日の両日とも予選と決勝が行われる2レース制となっている。
また、土曜日と日曜日に行われる予選・決勝のフォーマットにも違いがある。予選に関しては10日(土)に行われる予選は20分間の時間予選、11日(日)はQ1~Q2のノックアウト予選だ。決勝は10日のレース1が30周、11日のレース2が51周とレース距離が異なり、レース2のみタイヤ交換が義務付けられている。
そのほか、金曜日に行われている専有走行や日曜日朝のフリー走行、日曜フリー走行後のスタート練習なども実施されない。
選手権ポイントについては1大会1レース時のハーフポイントがレース1、レース2で与えられる。最終戦のようにボーナスポイントは付与されないものの、ポールシッターには1点が追加されるため、仮にポールシッターが2位でフィニッシュしても優勝者と同じ5ポイントを獲得可能。選手権争いを見据えた上でも、今週末はこれまで以上に予選が重要と言える。
5月に行われた第2戦岡山が大雨によりわずか7周で終了し、不完全燃焼感が残ったこともあり、2レース制はファンにとって嬉しい施策だが、実際にレースを戦うドライバーはどう感じているのだろうか。
スーパーフォーミュラ岡山ラウンドで2連勝と相性の良い15年チャンピオン、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は「どちらかと言えば、ドライバーよりもエンジニアが大変」と語る。
「短いインターバルのなかでセットアップをどう変更するのか、タイヤをどう使うのかなど、エンジニアとミーティングを重ねています」
「ただ、土曜日の予選(時間予選)に関しては、通常の(ノックアウト予選)Q1と変わらない印象です。1周のアタックチャンスを逃さないようにしなくてはいけませんね」
「今、気になっているのは天気予報。(土曜日と日曜日で)もし天候が変化すれば、両日とも予選・決勝をやるという2レース制の面白さが際立ちますから」
第2戦で2位表彰台を獲得した塚越広大(REAL RACING)も「時間予選でも、ノックアウト予選と取り組み方は変わらない」と石浦と同意見。中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)は「(土曜日は)レース距離もインターバルも短いので、いつも以上に持ち込みセットが重要になる」との考えを示した。
また、塚越は「鈴鹿での2レースと違い、一度“リセット”ができる。仮に調子が悪くても巻き返すチャンスが生まれてきます」とメンタル面にも言及。日曜日は予選から決勝までのインターバルが長くセットアップ変更の時間にも余裕があり、天候などコンディション変化と重なればレース1とレース2で展開が大きく代わる可能性は高いだろう。