今季10月開幕のシーズン3からフォーミュラE選手権にワークス参戦を開始するジャガーが、最後のプレシーズンテスト終了後の9月8日にドライバーラインアップを発表。初年度のワークスドライバーにはアダム・キャロルとミッチ・エバンスが抜擢された。
また、リザーブ&デベロップメントドライバーには、F1でリザーブドライバーも務めたことのあるホー・ピン・タンが起用されている。
2回目のプレシーズンテストで起用されたドライバーがそのままレギュラーとなった形だが、キャロルはここまでジャガー・ワークスのプライベートテストでもニューマシンI-Type 1のステアリングを握っており、この33歳の北アイルランド出身のドライバーがレギュラー起用される可能性は早くから噂されていた。
この決定に際して、キャロル自身も「夢は叶う」と喜びのコメント。
「(ジャガーブランドは)モータースポーツの世界でも、もっとも刺激的な名前のひとつだ。彼らのためにレースできるというのは本物の特権だ。それに、このシリーズに参戦している多くのドライバーの顔ぶれを見てみてほしい。競争力の高さは格別だと言えるね」
マヒンドラやチーム・アグリでの経験を持つキャロルに対して、完全なるルーキーとして選手権デビューが決まったエバンスは、GP2での優勝経験も持つ実力派で、最初のプレシーズンテストでは2台目のI-Type 1シャシーをアレックス・リン、ハリー・ティンクネルらとシェアしながら、フォーミュラEマシンのファーストドライブを果たした。
ニュージーランド出身のエバンスは、元F1ドライバーのマーク・ウェバーがマネジメントを務めており、ウェバー自身はF1でジャガー・ワークスに所属していた経験も持つ。
「歴史上でもっとも“アイコニック”なクルマのいくつかを生み出したのがジャガーだ。自分がジャガーのエレクトリック・モーターリングの未来と、モータースポーツへのカムバックに参加できることに興奮しているよ!」とエバンス。
「フォーミュラEは真のドライバーズチャンピオンシップであり、世界でもっともコンペティティブなレースシリーズのひとつだ。ドライバーの誰よりも早く、フォーミュラEマシンの限界を見つけて、その先にあるコンマ数秒のゲインを手にしたい。シーズンが始まるのが待ちきれないよ」
ジャガーの“ヘリテッジ・ファシリティ”で行われた公式発表会では、ドライバーラインアップのほかに日本の電気メーカーである『パナソニック』との公式スポンサー契約もアナウンスされている。
チームのチェアマンには、ジャガー・ランドローバー・グループ(JLR)のチーフ・マーケティング・オフィサーを務めるゲルト・モーゼルが就任。JLRのメンバーとマシン開発・製造を担当するウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングの面々を融合させる役割を担う。
「今日はジャガー・レーシングの歴史のなかで、新しい章の始まりだ」とモーゼル。
「フォーミュラE選手権における最初のプレミアムカー・メーカーとして、トップレベルのモータースポーツシーンに復帰できることを誇りに思っている。未来は変化し続けており、我々はその変化の一部でもある」
10月9日に香港で開幕する2016/17シーズンから、いよいよワークス『パナソニック・ジャガー・レーシング』がデビューを果たすこととなる。