趣味というのは自分さえ楽しめればいいものなので、他人がとやかく口を挟むべきではない。ただし「よい趣味」という言葉もあるとおり、趣味の中身によってその人の経済的、社会的立場などの傾向が出てしまうことも否定できない。
転職サイトのキャリアインデックスが、20~59歳の就業中の男女1000人に「あなたはどのようなジャンルの音楽が好きですか?」とアンケートを実施したところ、予想通り年収層によって興味深い特徴が表れていたという。
「格差」が最も大きかったのはクラシック音楽
「好きな音楽」として最も人気を集めたジャンルは「J-POP」で、全体の63.6%(複数回答)が好きと答えた。年収の層別では「500万円未満」が67.8%と最も割合が高いが、年収の上昇とともに減っていく。「500~700万円未満」では61.2%、「700万円以上」では54.8%となり、700万円以上と500万円未満の差は13ポイントもある。
同様の傾向は「アニメソング」にも表れており、500万円未満では15.5%、700万円以上では6.1%。「アイドル」では500万円未満では12.2%を占めるが、700万円以上ではわずか4.3%。年収700万円以上の層で最も「好き」の割合が低いのもアイドルだ。高収入の人はAKBやジャニーズは聴かないのだろうか。
逆に「クラシック」や「ジャズ」は、年収の上昇とともに「好き」の割合が高くなっていく。ジャズは500万円未満では11.5%だが、700万円以上では20.0%。クラシックは500万円未満で20.5%だが、700万円以上では36.5%となっている。その差は16.5ポイントでJ-POPを上回り、全ジャンル最大。年収による傾向が最も大きく出る音楽といえる。
調査元では「人の年収は聞きにくいものですが、代わりに相手に好きな音楽の分野を聞いてみるのも面白いかも知れません」としている。要するに音楽の趣味で、その人の年収をある程度予想できるということだろうか。
なおこの傾向は、実は転職業界ではよく知られた話だという。ある転職エージェントによると、転職候補先との面談で希望年収を示すと嫌われるリスクが高いが、それとなく「お金が掛かりそうな趣味」を持っていることを匂わせると、現在の収入や生活レベルが高いと判断され、交渉が有利になるることもあるそうだ。
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