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専用タブレットで学習できる、受刑者向けの遠隔教育プログラム「Edovo」

2016年09月08日 17:51  Techable

Techable

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英国の独立研究機関「刑事施設研究国際センター」によると、米国の受刑者数は約222万人で、世界で最多。

また、 国立司法研究所 (NIJ)の調査では、釈放後3年以内の再犯率が67.8%にのぼることが明らかになっており、罪を犯した人が再び罪を犯す割合が高いことも、社会的な課題となっている。
・受刑者を対象とするユニークな遠隔教育プログラム
米イリノイ州のスタートアップ企業「Edovo」は、外部への通信やインターネットアクセスが制限された、耐久性の高い専用タブレット端末を活用し、受刑者向けの遠隔教育プログラムを提供。

受刑者は、このタブレット端末を通じて、職業トレーニングや、認知行動療法をはじめとする自己啓発プログラム、北米の高等課程修了と同等以上の学力を証明する公的試験「GED」のための受験対策カリキュラムなど、様々な学習プログラムを受講できる。

また、学習に取り組んだあとは、音楽や映画、ゲームなどのデジタルコンテンツを楽しむことができ、受刑者が、無理なく、必要な知識やスキルを身につけられるのも特徴だ。

これまでに、アラバマ州やペンシルベニア州のピッツバーグ、カリフォルニア州のサクラメントなどの刑務所で、「Edovo」が導入されている。
・受刑者の社会復帰を学習面からサポート
米調査会社「RAND」の研究レポートによると、矯正教育プログラムに参加した受刑者の再犯率は、参加していない者よりも43%低く、一般教養や職業にまつわる教育プログラムに参加した受刑者の釈放後の就職率は、そうでない者よりも13%高くなっている。

「Edovo」は、受刑者それぞれのニーズに合わせ、社会復帰に備えた教育プログラムや自己啓発プログラムを提供するプラットフォームとして、米国内外で需要がありそうだ。

Edovo