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F1売却:エクレストン、現役続行を表明。新会長に期待するアメリカとのコネクション

2016年09月08日 15:21  AUTOSPORT web

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FIA会長のジャン・トッド(左)とバーニー・エクレストン(右)
リバティ・メディア社がF1の株式を取得する旨の発表を行い、会長にチェイス・キャリーが就任し、バーニー・エクレストンが引き続きCEOを務めることが明らかになった。エクレストンは、新会長キャリーにかける大きな期待を語った。

 85歳のエクレストンは、F1最高権威者のポジションを失うことになるとの噂がイタリアGPの週末に浮上したが、現職を継続することで話がまとまった。現在は21世紀フォックス社の副会長であり、過去には衛星放送サービスを提供するディレクTVでCEOを務めたキャリーは、エクレストンと協力して新たな職務にあたることになる。

 リバティ・メディア社と、35.5%の株式を保有する主要株主CVCキャピタル・パートナーとの協議は、今週火曜夜遅くまで行われ、水曜には取締役会が開催されたものとみられている。

 そして7日水曜、リバティ・メディア社は、F1取得に関して合意し、すでに18.7パーセントの株式を7億4,600万ドルで取得、最終的には80億ドルの取引になると発表した。取引が終了するまでにはあと2、3カ月かかる可能性がある。

 取締役会は来週火曜にも開催され、エクレストンはシンガポールGPよりもCVCでの事態の調整を優先するため、ロンドンに残るともいわれている。

 契約には他にも数多くの関係者の同意が必要であり、そのなかにはモータースポーツ運営組織のFIAも含まれる。株式の1%を保有するFIAが、この譲渡はF1の利益になるものであると確認し、同意する必要がある。

 F1を40年に渡って運営してきたエクレストンは、7日の発表に先立ち、以下のように語った。


「F1の最高責任者を今後も務めることが決定した。サーキットやテレビ局などの関係者との交渉など、これまでにしてきたすべてのことを継続してやっていく」

「チェイス(・キャリー)のような人材が起用されるのは、いいことだ。彼がソーシャルメディアを活用し、F1を新たな領域に連れて行ってくれることを望む。誰もが知っているように、私はソーシャルメディアから金を生む方法を見つけられずにいる」

 キャリーは、元ネスレ社CEOで3年前にF1の会長に就任したピーター・ブラベック-レッツマットの後任となる。7日の発表で、ブラベック-レッツマットは非常勤取締役としてF1の取締役会にとどまることが明らかになっている。

「ピーターはこの役職から退き、チェイスが後任に就く」とエクレストン。
「ピーターは完璧な会長で、やるべき仕事を進めてくれていたが、分野によってはチェイスほどの知識はない。チェイスが精通している分野が、我々の助けになることを願っている」

「チェイスはアメリカでディレクTVを運営した経験がある。アメリカは我々のウイークポイントだ。彼が加わることがその部分で助けになるといい」

「私にとって重要な要素が、3つある。アメリカで彼が持つ、テレビ業界とのコネクションがひとつ。それから彼が何年にも渡って付き合ってきたスポンサーたち、最後にソーシャルメディアだ。F1にとっては、そのすべてが前向きなものだ」