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2017年カレンダー、WECとFEのバッティングが不可避の情勢に?

2016年09月08日 12:51  AUTOSPORT web

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シーズン3で初開催となるカナダ・モントリオール戦がバッティング対象に
2017年シーズンに向け、各カテゴリーの暫定カレンダーが発表されるなか、WEC世界スポーツカー耐久選手権と、電動シングルシーター選手権のフォーミュラEが、イベント開催日程のバッティングに直面し、関係部門で日程回避に向けた調整作業を強いられている。

 問題となっているのは2017年向けに日程候補が発表されている7月16日の週末。WECはル・マン明けの1戦となるドイツ・ニュルブルクリンクでの1戦が予定されており、一方のウィンターリーグ制を採用するFEでは、シーズン後半のダブルヘッダーとなるカナダ・モントリオール戦を実施予定。両レースがバッティングする公算が高まっている。

 すでに暫定カレンダーを発表しているフォーミュラEと異なり、WECはFIAによって批准されたスケジュールを発表していないが、ニュル戦を7月16日の週末に開催する可能性が濃厚だという。

 フォーミュラEのCEOを務めるアレハンドロ・アガグは、これまでもカレンダーの再調整と日付変更の可能性を議論してきたが、その週末に関しては「リスケジュールは不可能である」との結論に達した、と明かす。

「なぜなら、レースを開催するのに向けた会場の設営や、マシンとレース機器を輸送するための時間枠がどうしても必要となるからだ」

 FIAが開催する世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル/WMSC)の次の会合は、今月下旬の開催が予定されているが、フォーミュラE側による開催日程変更の可能性が低いことから、衝突が回避できるかはFIAとWECの動向に委ねられることとなった。

 アガグはさらに、事前のアナウンスではWEC側がニュル戦を7月16日に開催することを暗示していなかったとし、その日付が別のスケジュールに帰着することを望む、と付け加えた。

 2017年シーズンに向けては、2015/16シーズンのフォーミュラEチャンピオンであるセバスチャン・ブエミや、同選手権2位のルーカス・ディ・グラッシらがWECにも参戦しており、カレンダーの衝突を避けるカテゴリー間の紳士協定が機能するかが焦点となる。

 また、FIAがこの問題を正式に議論するまでは、WECはカレンダーに関するコメントを発しない姿勢を取っている。

 F1の暫定カレンダーが発表された今、残るWECの決定次第では、フォーミュラEだけでなくWTCC世界ツーリングカー選手権や、日本国内のモータースポーツ・カレンダーにも大きな影響が出ることが予想される。


■FIAフォーミュラE選手権 シーズン3レースカレンダー
開幕戦 16年10月9日 香港
第2戦 11月12日 マラケシュ(モロッコ)
FIAエレクトリック・モビリティ・フォーラム 17年1月7日 ラスベガス(アメリカ)
第3戦 2月18日 ブエノスアイレス(アルゼンチン)
第4戦 4月1日 メキシコシティ(メキシコ)
第5戦 4月22日 開催地未定
第6戦 5月13日 モナコ
第7戦 5月20日 パリ(フランス)
第8戦 6月10日 ベルリン(ドイツ)
第9戦 6月24日 開催地未定
第10戦 7月1日 ブリュッセル(ベルギー)
第11-12戦 7月15~16日 モントリオール(カナダ)
第13-14(最終)戦 7月29-30日 ニューヨーク(アメリカ)

■FIA世界スポーツカー耐久選手権 暫定レースカレンダー
開幕戦 4月16日 シルバーストン(イギリス)
第2戦 5月6日 スパ-フランコルシャン(ベルギー)
第3戦 6月18-19日 ル・マン24h(フランス)
第4戦 7月16日 ニュルブルクリンク(ドイツ)
──以下、開催日程未発表──
未定 - サクヒール(バーレーン)
未定 - オースティン(アメリカ)
未定 - 富士(日本)
未定 - メキシコシティ(メキシコ)
未定 - 上海(中国)