2016年09月07日 22:51 弁護士ドットコム
グルメ情報サイト「食べログ」で、ユーザーの口コミによる店の評価点数(5点満点)が、短期間で急減する事象がツイッターで報告され、運営の介入を疑う声があがっていることについて、サイトを運営するカカクコムは9月7日、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、会社側の見解を明かした。原因はアルゴリズムの見直しだといい、営業電話による圧力も否定している。
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「炎上騒動」のきっかけは、東京と京都にあるワインバーの経営者が9月6日に投稿したツイート。この中では、次のように記されている。
「全店の食べログスコアがいきなり3.0にリセット。そこに担当営業から連絡が来て『食べログのネット予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とします』と」
※7日正午時点では全4店舗中、1店舗が3.05点
投稿は3000回以上ツイートされ、まとめサイトなどにも取り上げられた。ネットでは、「営業を断ると点数がリセットされるのでは」などと批判が高まり、運営会社カカクコムの株価が急落。年初来安値を更新した。しかし、カカクコムによると、これらの反応には2つの誤解があるという。
1つ目は、点数の減少は恣意的なものではなく、アルゴリズムの見直しによるものだということ。食べログでは、店の評点は単純な平均値ではなく、ユーザーの信頼度などが独自のアルゴリズムで処理されているという。
たとえば、問題のツイートをした経営者が運営する麻布十番の店の総合評価は3.05点(9月7日正午現在)。Webのキャッシュによると、9月4日段階では3.27点だった。寄せられた16件の口コミを個別に見ると3.2点が1件あるものの、残りはいずれも3.5点以上だった。食べログのサイトポリシーによると、単純平均にしないのは、サクラを使った不正の防止や、他の店と比較しやすくするためだという。
運営会社カカクコムによると、アルゴリズムの調整は日々行われており、「口コミ投稿がなくても、アルゴリズムの見直しが行われれば、全店舗を対象に点数が変動することがあります」という。
もう1つの誤解が、評価の減点と営業電話の関係だという。食べログは9月7日、サイト経由でネット予約できる店について、検索結果ページの広告枠で優先的に表示する仕組みを導入すると発表した。問題の経営者にかけた電話も新サービスの案内だったという。
「ネット予約を使わないと、点数・ランキングの順位が落ちるかのように誤解されている方が多いのですが、ネット予約を使うと優先されるのは広告枠の中での話であり、点数とは全く関係がございません」(広報担当者)
運営会社カカクコムは弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「食べログはユーザー本位のサービス。お金を払えば点数やランキングを操作できるようにしてしまったら我々の存在意義が無くなりますので、そのようなことは現在も今後も決して行いません」とコメントしている。
(弁護士ドットコムニュース)