ヒュンダイが開発していたR5規定のラリーマシン、新型i20 R5が9月29日~10月2日に行われる世界ラリー選手権(WRC)第10戦ツール・ド・コルスのWRC2に参戦する。そのうちの1台はトヨタ・ヤリスWRCテストドライバーのステファン・サラザンがドライブする。
R5規定は、これまでのS2000規定に代わる車両規定で2013年に発効したもの。安価なパーツの使用義務付けやエンジンの排気量制限など、厳しいコスト制限が行われている。
これまでフォードやシトロエン、シュコダなどがR5マシンを投入しており、ヒュンダイも2016年内の投入を目指してR5規定に沿ったマシンを開発。今年5月に行われたヨーロッパラリー選手権(ERC)第5戦イプルーでは、コースカーデビューを果たしているほか、開発テストで3000マイル(約4828キロ)を走破している。
そんなi20 R5が合計で3台、ツール・ド・コルスのWRC2に参戦する。そのうち1台はヒュンダイ・モータースポーツが走らせ、残る2台はプライベートチームからの参戦。ワークスチームではケビン・アブリングがドライバーを務め、プライベートチームからはサラザンとイタリア出身のファビオ・アンドルフィがドライブする。
FIA世界耐久選手権(WEC)で6号車トヨタTS050ハイブリッドを操るサラザンは、2004年にスバル・インプレッサでWRCデビューを果たしてるほか、現在はTOYOTA GAZOO RacingのヤリスWRCをテストするなど、サーキットレースのみならず、ラリーにも馴染み深いドライバーだ。
ヒュンダイ・モータースポーツ代表のミシェル・ナンダンは「1月からテストを重ねてきたi20 R5がツール・ド・コルスでデビューを果たす。今回の1戦はチームにとって歴史的なラリーになるだろう」と述べている。
「会社としての規模を拡大するためにも、カスタマー部門を軌道に乗せることは重要だ。また、i20 R5が参戦することで、我々は(最上位クラスも含めて)6台のi20を同時に走らせることになる」
「現在はFIAの最終ホモロゲーションを待っている状態だが、フランスで充分な戦闘力を発揮できるよう、ファクトリーでは今も作業が進めている」