キミ・ライコネンはフェラーリの今シーズン最後となるエンジンアップデートは、大幅な改善を見込めるような"魔法ではない"と明かしつつも、前回のパワーユニットより向上はしていると話した。
イタリアGP前に最後となる3つのトークンを使ってしまったフェラーリは、モンツァでメルセデスと競争することに成功したが、予選と決勝の両レースを見ても、ライバルとは言えない深刻なペース不足を露呈した。
昨シーズンのデータを見ると、ライコネンは予選でメルセデスのルイス・ハミルトンより0.234秒下回るタイムを残している。しかし今シーズンのセバスチャン・ベッテルの予選タイムを見ると、その差は0.837秒に広がっている。
そして先日のイタリアGPでは、ベッテルは3位を獲得するが1位のニコ・ロズベルグより20.990秒遅れてチェッカーを受け、4位のライコネンはベッテルよりも6.5秒遅れた。このタイム差について、ライコネンはこのイタリアで導入したアップグレード版エンジンについて言及した。
「前回のエンジンよりも優れていないものを我々は持ち込む気は一切ない。大きくはないが、我々が必要とする小さな部分の向上ができている。通常道りの改善だと思う」
「エンジンもクルマも、この先の成功をつかむために全ての部門で改善をしないといけない。アップデートは魔法じゃないけど、向上はしている」
フェラーリは夏休み前に、コンストラクターズランキングでレッドブルを下回る3位となってしまった。しかし、イタリアGPではダニエル・リカルドが5位、マックス・フェルスタッペンが7位となったため、その差は11ポイントまで縮めた。
コンストラクターズタイトルは十中八九、メルセデスが手にするだろう。それでも、ライコネンはメルセデスとの差が200ポイント以上となってもプッシュし続けるという。
「(コンストラクターズランキングは)2位でありたい。1位は現実的な目標ではない。そうだね、メルセデスがこの先の全レースで完走できなければチャンスはあるかもしれない」
「僕たちは数レース前から2位の座を守れていない。それでも、この2週間の連戦では正しい道を歩んでいる。この先のレースでも同じようにうまくいくと信じている」
次のレースが行われるシンガポールは、昨年ベッテルがフェラーリのシーズン3回目の優勝を飾り、ライコネンも3位表彰台を獲得している。メルセデスが苦戦を強いられた地であり、昨年のレースの再現が可能かを聞かれると、ライコネンは以下のように答えた。
「(昨シーズンの再現が)可能とは言いづらいね。サーキットのレイアウト、コンディションを含め何から何まで違う。モンツァとスパでさえ、違う点が多く見られた」
「我々はここ2週間で正しい道のりを進めていると思う。この波にうまく乗ることが大事なんだ。もしうまくいかなくとも、何か良くなるまで口出しする気はない」
「たしかに昨年は良かった。でも、今年も同じような状況が望めるとは約束はできない」