結婚式の余興を頼まれることほど、頭が痛いことはない―。出席者を楽しませ、新郎新婦を喜ばせ、場を盛り上げるというプレッシャー大の役どころ。「正直、できるなら避けたい」というのが一般的な本音かもしれない。
そのように、ただでさえ乗り気になれない結婚式余興だが、とんでもない要求がプラスされることもあるようだ。発言小町に8月投稿された「痛々しい結婚式の余興を断りたい」というトピックが反響を呼んでいる。(文:みゆくらけん)
仲間が踊りだし最終的に兄嫁がセンターになるという自己満展開
兄の結婚相手(以下兄嫁)から余興を頼まれているという投稿者の女性。しかも内容は「AKBのコスプレをして友達とともに踊れ」というものだ。30歳既婚の自分がAKBなんて痛過ぎるし、友達まで巻き込んで強要するのも絶対にイヤだと投稿者は困惑している。
しかも、兄嫁が「こういう展開にしてほしい」と作ったストーリーは、投稿者とその仲間たち(友達)がAKBになってお祝いダンスを披露し、途中で「兄嫁さん、ぜひ私たちのセンターに!」と懇願するというもの。そこで「えー、しょうがないなー」という感じの兄嫁が強引にセンターに連れていかれ、という流れでやりたいのだそう。そして、
「兄嫁さん素敵!」「急な無茶振りにもそつなくこたえちゃうなんて才女!」
「センターの兄嫁さんが一番可愛いね!」
と評判になりたいのだとか。まさに茶番の極みだ。てか、その自作自演ストーリーを義妹にブチまけるなんて、逆に性格良いのではないかと思ってしまう。
投稿者は「そんなの突然のサプライズですって言っても誰も信じないし」と呆れる。そりゃそうだろう。突然センターに連れて行かれるのにステキに踊れちゃう、など裏工作バレバレで、会場もシラけるに違いない。しかもやってしまったら最後、「盆暮れ正月、絶対に親戚にからかわれます」と嘆き、どうやって回避すべきか悩みまくっている。
「祝い事なのだからやってもらって当たり前」はどうにかならないのか
さらに震えるのは、「投稿者の友達への謝礼はなし、当日の席も無し」で、「衣装も自分たちで揃えろ」「会場に入るんだからご祝儀も宜しく」と兄嫁が言っていることだ。どこまでがホンマ?と疑いたくなるようなエピソードだが、リアルだったら怖過ぎる。回答者からは、怒りと呆れに満ちた声が多々上がっている。
「私だったらそんな提案をされた時点で『ふざけないで!』とキレる。そんな余興を考えたってだけで絶句。本気で頼んでくるなんて恐い」
「相当にナメられていますから、ブチ切れてもいいです。絶縁しましょう」
「ウエディング・ハイを通り越したおかしい人。いっそ破談になったほうがいいんじゃないかと思うケース」
一方で、少ないながらも「やってあげるべき」という意見もあった。「義姉さんにとっては、一生に一度の事なんだから、余興くらい快く引き受けてあげればいいじゃない」というのだ。さらに、似たような余興をやったことがあるという人からは「結婚式は花嫁が主役。 評判も良かったし、喜んでもらえて嬉しかった」との声も。
確かに結婚式は花嫁が主役。しかしながら、「一生に一度の祝い事なのだからやってもらって当たり前」というツラの皮の厚さは、なんとかならぬものか。「主役は私よ!」の圧力が凄過ぎて、滑稽に見える人がたまーにいる。これから自身の結婚式を予定している方々は、貴重な休みを自分たちのために割いて式に出席してくれる人たちに、感謝の気持ちをどうぞ忘れないでいただきたい。結婚式という場に集まった人たちは、自分を魅力的に見せるための演出道具ではないのである。
また、「ハッキリ言いますけど、その余興で一番恥をかくのはお兄さんですよ」と忠告する声もあった。この人は、式に兄の会社の人たちが出席するとなれば「会社の中で伝説になるでしょう」と言っている。ごもっとも。