トップへ

『ダゲレオタイプの女』釜山&シッチェス映画祭出品へ 日本人監督五人目のハンドプリンティングも

2016年09月06日 09:31  リアルサウンド

リアルサウンド

『ダゲレオタイプの女』(c)FILM-IN-EVOLUTION - LES PRODUCTIONS BALTHAZAR - FRAKAS PRODUCTIONS - LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinema

 黒沢清監督の海外初進出作品『ダゲレオタイプの女』が、10月6日から開催される韓国の第21回釜山国際映画祭ガラブレゼンテーション部門と、10月7日から開催されるスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭ニュー・ビジョン部門へ正式出品されることが決定した。


参考:監督と助監督、それぞれの仕事 菊地健雄インタビュー「映画人である前に、社会人として」


 本作は、『岸辺の旅』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した黒沢清監督の最新作。世界最古の写真撮影方法“ダゲレオタイプ”を軸に、写真家の父の犠牲になる娘と、娘に心を奪われていく男の、美しくも儚い愛と悲劇の物語を描く。


 主役のジャンを演じるのは、『ある過去の行方』のタハール・ラヒム。ジャンが想いを寄せるマリー役に『女っ気なし』のコンスタンス・ルソー、マリーの父であり、ダゲレオタイプの写真家を『サンドラの週末』のオリヴィエ・グルメが演じ、監督としても活躍する『あの頃エッフェル塔の下で』のマチュー・アマルリックが脇を固める。


今回、正式出品する釜山国際映画祭では、これまで映画界に多大な貢献をしてきた映画人を毎年数名招待して、ハンドプリンティング(手形)を行ってきた。10月8日の本作上映に併せて現地入りする黒沢監督も、ハンドプリンティングを行うことが決定。日本人監督としては北野武、今村昌平、鈴木清順、若松孝二に続いて、5人目となった。


 釜山のBIFF広場に埋め込まれてきたハンドプリンティングは、テオ・アンゲロプロス、タヴィアーニ兄弟、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、ヴィム・ヴェンダース、チャン・イーモウ、ジョニー・トー、エンリオ・モリコーネ、アンナ・カリーナ、ジャンヌ・モロー、イザベル・ ユペールなどが手形を残してきている。


 また、日本公開に先駆けて行われる、ファンタジーとホラーに特化したシッチェス・カタロニア国際映画祭での上映にも注目が集まる。そして、本作のワールドブレミアとなるトロント国際映画祭ブラットフォーム部門の審査員が、ブライアン・デ・パルマ監督、チャン・ツィー、マハマト=サレ・ハルーン監督になったことが発表された。(リアルサウンド編集部)